『流れ星』

□流れ星 [番外編]
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[レオリオ side]






「ふぁ〜。よく寝た……ん?」

あれ?なんでウチに居んだ?しかも外が暗いって事は夜か?

確か今朝タバコ買いに出て…それからどうしたっけ?



「あっ!おっさん目ぇ覚めた?」
「へ?キルア…なんでお前がココに?ってかおっさんゆーなっ!」
「あははっ。いや〜アルカとこの町に来たからついでに寄ってみたんだよ。そしたら丁度このアパートの階段の前で見掛けたからさっ。でも声掛けたらアンタ驚いて階段から落ちちまうんだもんなー。こっちがビックリしたぜ。おもいっきり頭ぶつけてたけど大丈夫かよ?」

階段から落ちた…?
頭を擦ってみたけど特にたんこぶも出来てねーみてーだ。うん。

「多分…ダイジョブ。」
「そ?いや〜良かった。ちょ〜っと責任感じてたからさぁ。ははっ。」
「てめっ!笑い事かっ!?こっちは軽〜く記憶ねーんだぞっ!?」

ったく!マジで今朝の事全然思い出せねー。

「まぁまぁ。どーせたいした記憶持ってねーだろ?」
「なっ!相変わらず可愛くねーガキだな!」

「なぁ。それより今夜泊めてもらいたいんだけど?アルカも寝ちゃったし、起こすの可哀想だからさ。ソファで構わねーし。」

「ん?あぁ、別に構わねーけど。」

「サンキュ〜。んじゃ俺シャワー借りるな。」



キルアが寝室を出ていった途端、やけに部屋を広く感じた…。ずっと一人暮らしのはずなのに…変なの。

小腹が空いてリビングに来てみればアルカちゃんがあどけない顔して熟睡してた。確かに起こすのは可哀想だな。

冷蔵庫は空っぽ。明日休みだし買い物行かなきゃな。何かねぇかなって冷凍庫見たら大きめのタッパーにリゾット入ってた。…こんなん作った覚えねーけど…ま、いっか。旨そーだし。



「いい匂いだな。何食ってんの?」
「ん?リゾット。お前も食う?」
バスルームから出てきたキルアにレンジで温めたリゾットをやったらペロリとたいらげやがった。さすが育ち盛りだな。てか俺ももちょっと食いたかったのに…。

「ごちそうさま〜。あ〜旨かった。コレおっさんが作ったのか?」
「んにゃ。知らん。冷凍庫に入ってた。」
「なんだソレ?…頭打って自分で作ったの忘れてるだけじゃね?ははっ。」

なんだソレって言われてもなー。う〜ん。コレ、俺の味付けじゃねぇんだよなー。連れ込んだ女が作ったとか?………つっても最近、てか1年くらい?女連れ込んだ記憶がねぇぞ?

…いやいやあり得ないだろ?仮に連れ込んでないとしてもだ…ヤった記憶まで無いっ!

わ、忘れてるだけだよな…。うん。一時的な記憶障害ってやつだ。きっと。


「…ぉぃ。おいって!おっさん!もー、人の話全然聞いてなかっただろ?俺もう寝るからな?」
「おっさんってゆーなっ!俺はまだ二十代になったばっかだぞ!?ったく。もう遅いしお子様はさっさと寝ろ。」
「へいへい。おやすみ〜。」
「おー。おやすみー。」

俺は少し勉強して寝よっかな。全然眠くねーし。

勉強の前にキルア達に布団を出してやろうとクローゼット開けたらやけにスカスカで違和感を感じた。前からこんなんだった筈なのに…。

2時過ぎまで勉強して、それからベッドに潜り込むとやっぱり広く感じて…寂しくなった。それに自分じゃない香りがした。でもこの香りは嫌いじゃない。

…前にも同じ事があったな。確かハンター試験の時だ。あの時も誰かに殴られて記憶が無くなったけど誰に殴られたんだっけ?…思い出せねぇ。

…ここ1年くらいの記憶が曖昧だ。



ホントにただの記憶障害なんかな?
俺、何か大切な事…忘れてる気がする…。
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