四天部屋
□美術室のひよこ
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「ユウジって謙也と仲良いよな」
いつもの教室、いつもの学校で、白石と向かい合って昼飯を食べているといきなり変なことを言われた。
「そ・・・・そうかな?」
「絶対そうやって」
まあ、確かにユウジとは付き合い長いし、よく遊びはするけれど、中1の頃は今よりもっとひどかった。それこそ今の白石と俺のような感じだ。
「いや、でもあれやで、今はそれほど仲良くあらへんよ」
「いやいや、今も十分仲ええって」
白石の言っている意味がよく分からなくて、首を傾げる。
一体白石は俺に何が言いたいんだろうか。
「で、謙也ってユウジと仲良くなったのいつぐらいからなん?」
「はぁ?」
なぜそこで「で、」となるのだろうか。今日の白石はなんだかおかしい気がしてきた。
まあ、そんなことを心で思いながらも俺の頭の中は既にユウジと初めて出会った頃の風景がフラッシュバックされていた。
「せやなぁ・・・・」
気づけば勝手に口が動いていたのだが、こうなればお喋りな俺の口は止まらない。
俺とユウジの出会いは、今までの俺の人生の中で一番不思議だったかもしれない。