dream

□はじめての会話
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ここまで走れば十分だろう…



「はぁ、は、はぁ」



息がすっかり上がった俺は、大きく深呼吸して呼吸を整えると、肩に抱えたハナコをゆっくりと地面に下ろした。


フレッドもリーも各々逃げていったが、どこに行ったのだろうか。

そもそもフォーメーションFってなんだ?




そんなことを考えていると、被されていたローブを脱いだきみが俺を見つめていたことに気が付いた。




「あ、あの…ごめん!!」

「え?」

「俺、きみに悪戯するつもりじゃなかったんだ!ビックリして!本当はディゴリーのやつを…あ、じゃなくて!

思わずきみを抱えてきちゃったけど…
大丈夫だったか?」

シドロモドロになってしまった。なんて情けない。突然連れ去られてきたことに、きみは怒っているだろうか?乱暴なことをしてしまった……
ああ、どうしよう…

オドオドと頭を下げる。


「う…ん。」


その声に、俺は恐る恐る顔を上げ、きみの表情を覗う。

「大丈夫、ですよ?」

「…本当に?」

「ええ、驚いただけで、大丈夫。
頭を上げてください…」

そう、心配そうに話すきみに安堵のため息をこぼす。

「そっか、あぁよかった…」


そう言うと、ハナコはふんわりと微笑んだ。
その表情を見て、さらに安心する。






「ね、これ、あなたが?」

「!…あぁ、俺が作ったんだ。
魔法の香水さ。ひと吹きかけると、その時想像した花が体を埋め尽くすようにある魔法薬を配合して作ったんだ。」

「すごいわ!こんな魔法初めて!」



きみはすっかり感動した様子で、体中に咲き乱れるパンジーを見ていた。


「あ!あんまり触っちゃダメ!」

「え?なんでですか?」

「まだ改良中なんだ。コロンのミストの中に含まれる粉末が擦れると、増殖の呪文が発動して花が増え続けてしまうから」

「そんな呪文がも使われているんですか!」



とっても素敵ですね!、と言って感心したようにうんうんと頷いた。本当はあのセドリック・ディゴリーにラブリーな花の衣装を着させてからかう予定だったのだが…そういうときみは「ディゴリーくんが嫌いなんですか?」と心配そうに聞いた。
嫌いじゃなくて、悪戯が大好きなのさと言うと、ほっとしたように笑った。

あぁ、そんな風にあいつのために笑わないで。ディゴリーのことは嫌いではないけれど、やつあたりのような気持ちで奴を狙ったのは秘密にしておいた。




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