dream
□はじめての会話
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しばらくして、ハナコがドアから顔を出した。
「…ね、いる?」
「うんッ…あ!?」
ハナコはバスタオルを体に巻いた状態でおずおずとドアから顔を出している。
思わず本能的に胸元に目をやってしまった、健康的な男の子の俺。しかし一瞬にして直視するのは憚られ、顔を背ける。あぁ、顔が熱い。
「…あ///の、どうしたの?」
「あのね、服、どうしよう。着替えるものがなくて…
制服、洗ったらお花は溶けてしまったんだけど、乾かないと着れないじゃない?
どうしたらいい…?」
「そ、そそうか!着替えのこととか忘れてたよ!」
ハナコのこと隠したい一心でこんなところまで連れてきちゃったけど、寮に戻してシャワー浴びてもらえばよかったじゃないか。
やっぱり俺、テンパリ過ぎてるわ。
冷静になれ!ばかジョージ!
普段は用意周到に準備をして何事も望むタイプの俺。あ、もちろんテストや課題は別物だが。あと先考えずに行動してしまうのは、なんとも自分らしくない。そういうのはどちらかと言うとフレッドの役回りだ。フレッドは楽しいが勝ってつめの甘いところがある。小さな頃からそうだった。昔水の上を歩けるスーパーシューズを作ってロニィに湖を歩かせようとしたことがあった。フレッドは失敗した時のために網を持ってきたのだが、ロニィが案の定溺れそうになった時、破れて何の役にも立たなかった。俺は浮輪と箒を持っていったため、ロンは助かった。3人ともびしょ濡れになって帰ったため、ママにこってり怒られた。
………あ、そうだ。
「……スズキ、あの…
僕が服を乾かすから、貸して?」
「どうやって?」
「この手の呪文は得意なんだ」
僕は杖を振るい、昔ママが僕たちの服を乾かした時のように――ハナコの服を乾かした。
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