dream
□クディッチ
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「お、選手たちのおでましだ!」
「今日も練習頑張れよ!」
「優勝はグリフィンドールが頂きだ!」
食事をとっていると、テーブルの向こうからざわざわと歓声が聞こえた。大広間にやってきた選手たちは、選手だけが着られる赤いグリフィンドールカラーのユニフォームにローブをはおり、さっそうと歩いてくる。昼食をとっていたグリフィンドール生たちの声援を受けながら、ジョージとフレッドが私のテーブルまでやってきた。
「うげ〜、疲れた…」
「オリバーのやつ、俺たちを殺すつもりだ」
2人はどかっと私の正面・右隣の席に倒れこむように座った。
「本当に今日はキツかったわ。あんなに走りこまされるとは思わなかった…」
そう言って私の左隣に腰掛けたのは、アンジェリーナ・ジョンソンだ。
「地獄の果てまで走らされるのかと思ったわ…」
アンジェリーナとも双子のおかげで仲良くなった。彼女は綺麗で大人っぽくて、さばさばとした性格がとても好感がもてた。しかもクディッチの選手として寮を代表するうちの一人なのだ。彼女と仲良くなれたことは、私の秘かな自慢である。
「みんな、お疲れ様!」
3人は相槌さえうったが、もう気力がないとばかりにテーブルにうつ伏せた。
「あ、ジョージ。頭に葉っぱついてるよ?」
そう言って正面に座ったジョージの髪に乗った葉っぱを取る。ジョージの赤い髪に緑がよく映えてキレイ。
「ハナコ、ありがとう」
「ね、ハナコって双子の見分け付くのね?」
「え?」
「だって、今ジョージって。」
「ああ、そう言えばいつも思ってたんだけど、ハナコって俺らが一緒にいても間違ったこと一度もないよな?」
「そうよね!どうやって見分けてるの?」
フレッドとアンジェリーナは、先ほどのぐったりした様子は演技だったのかと思ってしまいそうなほどに、興味津津で質問する。
「…え?よくわかんないけど、ジョージとフレッドってなにか違うもの…」
「「なにかって!?」」
「ええ…?うまく言えないなぁ…」
「そういえばそうだよな。ママでさえ見分けつかないことあるのに。ハナコはなんでわかるんだ?」
ジョージもむくりと起き上がり、質問に混ざる。
「…う〜ん、そうだなぁ…
2人が無表情で何もせずに立っていたらわからないかも。笑い方も微妙に、フレッドの方がニヒルな笑い方するし。歩いていてもまっすぐ歩いてくるのがフレッドで、ちょっと周りを見ながら歩いてくるのがジョージでしょう?」
「「お〜、そうなんだ!」」
「よくわからないわ…」
「ハナコはすごいな!」
「ああ、天才だ!」
「ほら、今も。笑った顔が違う。」
「えー!?」
そんなことを話していると、ジョージがさすがハナコだと言って頭をポンと撫で、嬉しそうな表情を見せる。その優しい柔らかい笑顔は、やっぱりフレッドとは別物だ。
「ね、そんなことよりみんな。午後からは競技場で練習をするんでしょう?」
「ああ、やっと練習らしい練習ができる」
「ロンとハーマイオニーがね、一緒に見学に行こうって誘ってくれたの。あたしも見に行くね!」
「そりゃ頑張り甲斐があるな!」
「ありがとう、ハナコ」
「張り切って頑張るわ!」
そう笑った3人は、やっと皿を手に取り食事を開始した。
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