dream

□クディッチ
5ページ/6ページ



なにが起きたのか。

頭が真っ白だった。




私は床に倒れこんでいた。





「ハナコ!!大丈夫か!?」

「スズキ!!」

「ジョージ!大丈夫か!?」


みんなの呼び掛けに、ゆっくりと目を開ける。
目の前には、
燃えるような赤。




「ジョ、ジョー、ジ…?」



一瞬分からなかったが、顔を伏せた彼の頭が目の前にあった。呼び掛ける声から判断すると、彼はジョージのようだ。
大きな音がして、私は床に弾き飛ばされるように倒れた。しかし、その破壊音の割にはどこも痛くない。


私はジョージに抱きしめられ、床に倒れた彼の上に覆いかぶさっていた。

私の肩に頭を埋めている彼は、抱きしめる力が強く本人かは確認できなかった。というより、強く抱きしめられ身動きがとれずにいたが…






「あいててて…」

そう言った彼の声に、ジョージであることを確信した。


「う、ハナコ…、あぁ、大丈夫?」

そう言って顔を上げたジョージと目が合って、青ざめる。

「ジョージ!血が出てる!」

「んぇ?ああ本当だ…
それより!きみは大丈夫なのか!?」

平然と頬の血を拭い、そう言って真剣に私の心配をしているジョージ。

「平気よ。ジョージ、他に怪我は?」

ジョージの頬の傷を見て、じわじわと涙がにじむのがわかった。

「なんてことないよ。はぁ〜よかった…」


きみに怪我がなくて…そう言って、ジョージは私の頬をやさしく撫ぜた。
少し困ったような柔らかい表情で私を見つける。ジョージの顔を見て、私は真っ赤になってしまった。









次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ