dream
□クディッチ
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なにが起きたのか。
頭が真っ白だった。
私は床に倒れこんでいた。
「ハナコ!!大丈夫か!?」
「スズキ!!」
「ジョージ!大丈夫か!?」
みんなの呼び掛けに、ゆっくりと目を開ける。
目の前には、
燃えるような赤。
「ジョ、ジョー、ジ…?」
一瞬分からなかったが、顔を伏せた彼の頭が目の前にあった。呼び掛ける声から判断すると、彼はジョージのようだ。
大きな音がして、私は床に弾き飛ばされるように倒れた。しかし、その破壊音の割にはどこも痛くない。
私はジョージに抱きしめられ、床に倒れた彼の上に覆いかぶさっていた。
私の肩に頭を埋めている彼は、抱きしめる力が強く本人かは確認できなかった。というより、強く抱きしめられ身動きがとれずにいたが…
「あいててて…」
そう言った彼の声に、ジョージであることを確信した。
「う、ハナコ…、あぁ、大丈夫?」
そう言って顔を上げたジョージと目が合って、青ざめる。
「ジョージ!血が出てる!」
「んぇ?ああ本当だ…
それより!きみは大丈夫なのか!?」
平然と頬の血を拭い、そう言って真剣に私の心配をしているジョージ。
「平気よ。ジョージ、他に怪我は?」
ジョージの頬の傷を見て、じわじわと涙がにじむのがわかった。
「なんてことないよ。はぁ〜よかった…」
きみに怪我がなくて…そう言って、ジョージは私の頬をやさしく撫ぜた。
少し困ったような柔らかい表情で私を見つける。ジョージの顔を見て、私は真っ赤になってしまった。
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