novel

□Present for you.
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──ピンポーン。



「誰だ…?」



はい、と返事をしながら玄関の扉を開けると青峰がいた。



「よぉ火神、久しぶり…でもねーか」


「なんでテメェが俺の家知ってんだよ…!」


「あん?知ってちゃ悪いかよ」



そういう問題じゃねぇ…と火神は思ったが、とりあえず家に上がらせた。


どうせまた桃井の情報だろと聞いてみたところ、いやテツから聞いたと返ってきたがどうでもいい。



「おー、テツの言うとおり本当に広ぇな。あ、喉乾いたからなんか飲みもんくれ」



この態度に火神はカチンとくるものがあったが、なんとかそれを抑えつつお茶を出してやる。



「で、なんの用だ」


「お前俺があげたバッシュの1個しか持ってねーだろ?だから…」



そう言って青峰は持ってきた紙袋の中からいくつかのバッシュを取り出した。



「え…、これ全部新品じゃねーか」



しかも気を利かせてくれたのか、火神がよく履いているタイプのものが揃っていた。


目を輝かせながら1つ1つ見ている火神を横目に、青峰はお茶を飲む。



「お前いい奴だったんだな…」


「俺はもとからいい奴だ。まぁお前のサイズは俺と同じであんまねーからな、さつきがせっかくだから買ってあげろって煩くてよ」


「そっか…、ありがとな」



まさか青峰からバッシュをプレゼントされるとは思っていなかった火神は素直にお礼を言った。


─が。



「…そんな笑顔で言われると気持ちわりーよ」


「………」



気が長い方ではない火神は思いっきり青峰の首を締め上げた。



「ぐっ…ちょ、悪かった!今のは俺が悪かった!」


「前言撤回、やっぱ全然いい奴じゃねーだろ!」


「な…、お前帰国子女のくせに難しい言葉使うんじゃねーよ!」


「なんでだよ!別にいーだろ!」



ギャーギャー。


─暫くして喧嘩が一段落ついた頃には30分が経過しており、お互いずっと声を張り上げていたおかげで息切れしている状態だった。



「まぁ…とりあえず、貰っとくけど…。あ」


「…なんだよ?」



そういえばまだ青峰のバッシュを貰った時の勝負がついていないことを思い出した火神。


いち早く火神が思っていることに気付いた青峰は言い出される前に口を開いた。



「やんねーぞ」


「また借り作ることになんだろ!」


「せーな、俺はもう疲れたんだよ」



そう言い残して青峰は床に寝転がったと思ったら、数秒後にはいびきをかき始めた。



「ったく…なんなんだ」



寝返りをうった青峰を見るとお腹を出して寝ている。



「んな格好で寝てて風邪引いても知らねーぞ」


「………」


「〜〜〜〜っ」



─結局火神は寝室から毛布を持ってきて青峰にかけてあげ、先程貰ったバッシュを眺めながら呟いた。



「次1on1やったらぜってー勝つ」





- end -
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