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□背中A
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遡ること一日。

あの席替えから二週間程経った日だった。
あれから俺は獄寺と仲良くなるために必死で話しかけた。
お蔭様で、獄寺は俺に気を許してくれている。
「ばーか」とか言いながら笑ってくれたり、
時には、放課後に教室で居眠りしている獄寺を起こして
一緒に帰ったりもした。
獄寺は俺ん家の寿司が好きで、
帰り際に「飯食ってけよ」って言ったら
「し…しゃーねーな食ってやるよ」
とか言って結局、寿司を完食して帰る。
そんなやりとりが堪らなく嬉しくて、大好きだった。

けど俺にまだ告る意志はない。
というか告るかどうか迷っているところだった。


その日は獄寺は体調が悪いとか言ってずっと保健室にいた。
俺は授業開始のチャイムが鳴って席に座る。
獄寺が居ないのでなんだか物足りない。
そんな事ばかりは言ってられる訳もなく、
授業が開始されるのを待った。

しかし教師が来る気配が無い。
不安に思って律儀に職員室まで聞きに行った学級委員が戻って来て、
みんなに自習を伝えた。
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