Dropバス

□はじまり
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皆さんは“あの世行きバス”を知ってますか?

夜中に彼氏から電話がかかってきた。
「最終バス行ったと思ったら、一台来たから、それに乗って帰るね」

…彼は二度と帰って来なかった。

この話からこんな噂が広まった。
『運転手がいないバスに乗るな、命を落とすぞ』
と…


信じるか信じないかは貴方次第!!


ピッ

「くだらない…こんな噂があるから、証言者は訳の分からない事を言ってるんだよ…たくっ」

警察官である永島圭輔は、オカルトや幽霊、都市伝説なんかは全く信じない男…
もちろん、この“あの世行きバス”の存在も信じない。
「はぁ…とりあえず、寝るか…てか、こんな話信じる人いるのかよ…」
布団をひきながら、ブツブツ言ってから、眠りに着いた。


…運転手がいないバスに乗るな、命を落とすぞ



「先輩〜おはようございます!!!」
「永島先輩、今日クッキー作って来たんですけど〜」
警察署では、ファンが付くほどのイケメン刑事の永島は、後輩女刑事に話し掛けられても
「分かった分かった」
と見下しながら相手をしていた。

その時、

「あっ先輩、“あの世行きバス”の事知ってますか?」
その言葉に永島は、一瞬眉をピクッとさせ、
「知らないね」
と冷めた様子で応えた。


ここでも、あの話かよ…

―警視庁から各局、港町で不審死の遺体。
被害者は〜…
「またか」
「この頃多いよな、こんな事件」
「そうですね」
「しかも目撃者は皆同じこと言うんですよね…あの世行きバ」
「だぁー!!!やめろ」
「どうした?圭輔」

永島は、その場から離れ、課長の所に行き
「今言っていた、現場に行かせて下さい」
と声を張り上げた。が
「ダメだ」
と強い口調で言われ、こちらも同じ口調で
「何でですか!?」
と訊いたら
「お前はいつも、自分の考えを押し通そうとし、真実を見ないからだ!!!」
と怒鳴られた。

「くそっ」
と捨て台詞を吐いた後、勢いよく警察署を出ていった。
「おい、まだ仕事…たく…」

「あ、先輩!!!きゃっ」
後輩のファンの女の子に思いっきり、ぶつかろうがお構い無しに帰っていった。
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