タクミくん(short story)
□ひ・め・ご・と(ギイ×託生)
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託生と秘密の逢瀬を重ねる、屋根裏部屋。
ドアが閉まったと同時に抱き寄せ、首筋に顔を埋めた。
託生の甘い香りにくらくらする。
託生に触れた途端、さっきまでは確かにあったはずの理性の糸がプツンと切れた……。
抱擁を解き、託生の頤に手をかけ上向かせると口づける。
口づけたまま口唇を舌でノックし、開かせるとするっと舌を忍び込ませた。
「……ん……っ」
咥内を口蓋から頬の内側に至るまでくまなく探り、舌を託生のそれに絡め引き出し吸い上げた。
溢れた唾液が顎を伝い、ようやく口唇を離す。
「……ふ……っん……ぁ……」
託生はとろんとした目をしてオレに縋り付き小さな吐息を漏らした。
オレは託生を促しその場に腰を下ろすと脚の間に託生を座らせ、後ろから抱き締めると髪にキスした。
後ろを振り仰いだ託生がキスをねだる。
去年、同室だったときはそれこそいつでも抱き合えて濃密だった分、今年は触れ合うことが極端に減り、託生もかなり積極的になってくれている。
オレは口づけながら、託生のシャツの前を開き肌に左手を這わせた。
右手はベルトを外し、ファスナーを下ろす。
下着ごとズボンを下ろすと、愛撫し始めた。
「……ぁ……ん、ん……」
託生が吐息と共に小さく喘ぎを漏らす。
オレは託生の昂ぶりに手を伸ばし、ゆっくりと上下させる。
そして、後ろにもジェルを纏わせた指先を持っていく。
襞の周囲を擽ぐるようにしながら、中心に落とし込んだ。
「ぁ……んっ……」
託生はのけぞるように背筋を反らす。敏感なポイントを擦りあげ、慣れてきたところに指をもう一本増やし掻き回す。
「……んん……っ、やぁ……っ」
託生の口唇から堪えきれない喘ぎが零れる。
甘い声に煽られたオレは託生の腰を持ち上げ、十分に張りつめた屹立の上に下ろした。
「……いっ……!あぁ……っ!」
急いたように繋がったことで、甲高い声が漏れ、誰も近付くことのない場所ではあるけれど、さすがにまずいかと託生の口唇を塞ぐ。
「……託生、噛んでもいいから……っ」
そして狭くて熱い内に包まれたことで堪えきれ無くなったオレは腰を揺すりあげ突き上げた。
「……んんっ……!……んっ、んっ、んっ……
ふぁ……っ!」
口元を塞がれ、喘ぎが抑えられていることで感じ方が違うのか、しなだれかかるように背筋を反らせる。
「……やっ……、もぉ……っ!」
首を打ち振るうと口唇から手のひらが外れて嬌声が零れ落ち、眦にたまった涙が零れ落ちた。
抽挿と同時に昂ぶり切った託生自身を扱いてやる。
「……ぁふ……っ、んっ……ギイ……ぁ、あっ、もっ、ダ……メ……っ!やぁぁ……っ!」
「……っ」
託生の欲望が弾けるとともにオレも託生の最奥に精を放っていた。
暫しの余韻を味わった後、手早く処理を済ませたオレは託生を抱き締め、口づけた。
「……託生……ごめんな……」
口唇を離すなり謝ったオレに託生は首を傾げた。
「ギイ……?」
「いや、託生を抱き締めたらとまらなくなっただろ……」
「……っ!」
託生は先程のことを思い返したか耳まで朱くして俯くと、ぼそぼそと呟いた。
「……ぼ、くも……ギイ、が欲し……かったか、ら……っ」
「……っ……!……託生、頼むからそんな可愛いこと言うなって……」
オレは髪を掻き上げつつ、はぁ……とため息を漏らす。
「……え……?」
きょとんとしたその表情、それが男心を擽ってるってことがわからないかな……。
オレは再度嘆息した。
「……あーっ!もう……っ!」
髪を幾分、乱暴に掻き上げたオレは、託生を見つめると言い放った。
「託生、お前今夜、オレの部屋な……」
「……え?だって……」
「いいから……」
「うん、わかった……」
オレがそう押し通すと託生はふわりと微笑んだ。
(……っ!)
その顔にうっかり煽られそうになったのを隠し柔らかなその口唇にそっと口づけた……。
→あとがき