ビーストレギオン
□prologue〜ギルドの日常〜
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目が覚めた。
「んっ…ふあぁ〜」
上半身を起こして背伸びとあくびを同時にする。
「………」
寝起きで頭が回らず、ぼーとしたまま辺りをキョロキョロと見渡す。
それからベッドから降りふらふら足取りでドアに向かった。
ガチャッ
部屋から廊下に出れば、既に起きている他のメンバーの声があちらこちらから聞こえてきた。
「ふぁあ〜…」
犬獣人のレイトは再びあくびをして、食堂へと向かった。
食堂はガラス天井から朝日が入り、照明が点いてなくてもとても明るい。
食堂の端にある通称『依頼ボード』の前には、早くも今日の仕事を選んでいるメンバーがいた。
その中に、レイトと仲の良いメンバーの影があった。
「おはよー」
レイトはその背中に声をかけた。
「お、レイトくん。早いな」
鷲鳥人のキョウシュウがレイトの挨拶に返事をした。
「あ、おはよう」
その側にいたパンダ獣人のコウスケも、レイトに気付くと挨拶をする。
「おはよう、コウスケくん」
レイトも挨拶を返した。
「もう仕事見てるんだ?」
レイトは2人に聞いてみた。
「ああ。依頼は早い者勝ちだからな。早めに、な」
「オレもそんなとこ」
キョウシュウに続いて、コウスケが答えた。
「じゃあ、ぼくも選んでおこうかなぁ」
言ってレイトは依頼ボードに目をやる。