ビーストレギオン

□No visitor〜招かれざる来訪者〜
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ここは中央評議委員会

その一室で円卓会議が開かれていた。



「…兆候が現れましたか」

「ええ…『アレ』をたった数秒で倒したそうですよ」

その場の全員が黒いローブに身を包み、顔をベールで隠している。



「いやはや、予定よりも遅いのではないか?」

その中でもっとも大柄な獣人がふんぞり返って言う。

「しかし、兆候が見られたということは覚醒へと向かっている証拠なのでは?」

「残る課題はそこだな。覚醒が確実に起こると言い切れるのか?」

その獣人はさらに追い込みをかける。



「ふむ…さすれば、遣いを出すのはいかがでしょう。こちらからも働きかけていきますか」

「そうだな。遣いは…貴様が良かろう」

大柄な獣人は傍らにいた獣人を見る。

「年も近いし、連中も怪しまないだろう」

「わかりました。来所の名目は?」

その獣人はまだ若い様で、少し声は高めだ。

「“定期監査”とでも言っとけ。手段も構うな。とにかく覚醒が最優先だ」

「かしこまりました。では早速…」

その獣人はペコリと頭を下げると、静かに暗闇へと消える。





「喰えない奴よのぉ」

「まだ16ですから。ですが良い仕事をしますよ」

「これからに期待だな」

大柄な獣人は声高らかに笑った。
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