ビーストレギオン
□End of violently struggle〜激闘の果てに〜
1ページ/20ページ
ビーストレギオンを出て1時間ほど経っただろうか。
レイトたちはギルド南方、城下町オクードの先にある森の中を歩いていた。
行く当てもないままに…
「これからどうしようか?」
タクロウが辺りをキョロキョロしながら言う。
「そうだな。とりあえず行く当てもないし…どうすっかな〜」
ガクは額に手を当て『うぅ…む』と悩む。
「あ、じゃあオレが入団前に使ってた家にでも行くか」
ヒロヤが思い出したように提案する。
「へ〜ヒロくん家?」
ヒロヤの言葉にタツヒコは興味津々に聞き返した。
「いや、オレん家っていうか…知り合いに借りて住んでた家。よく修行つって一人で行ってたな」
ヒロヤは過去の体験を懐かしそうに話す。
「へぇ、修行かぁ…入団前って言ったら、3年前くらい?」
今度はコウスケが聞く。
「そうそう。…そういや、修行終わって実家に帰ったら、『あんたせっかく買った服を台無しにしてんじゃないわよ!』つって、お袋のビンタが飛んできてたっけ」
痛い思い出に、ヒロヤは右頬にはない傷をそっと撫でる。
「ははっ、ヒロくん想いの良いお母さんじゃない」
側で話を聞いていたタクロウが笑いながら言った。
「だろ?オレもそう思うよ」
ヒロヤは否定せず、むしろ自分の親を褒める。
こんな状況にも関わらず、ハハハと笑いが起こる。