短編集
□オスケモレスリング
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“ジェントルあ〜んどジェントルメン!今宵も白熱した試合が繰り広げられたが、遂に決勝戦だぁーっ!”
オォォォォォ〜ッ!!
解説者のアナウンスに会場には観客の声が響く。
“リングの上には既に2つの影。果たして勝つのはどっちだぁー!?”
ウオォォォォ〜!!
虎「良いねぇこの歓声…なぁそう思わないか?」
狼「ああ…決勝って感じがしてウズウズするぜ」
リング上ではボクサーパンツ姿の虎獣人と狼獣人がにらみ合いをして、ゴングがなるのを今か今かと待っていた。
ルール@
着用していいのはボクサーパンツのみ
“それでは参りましょう。1ラウンド無制限…レディ〜ゴォーッ!”
カンッ!
虎「先手は譲るぜ?ほら、かかって来いよ」
狼「いいのかよ?油断してっと痛い目見るぜ?」
虎の挑発に様子を伺うように聞き返す。
虎「一方的は可愛そうだろ?だからハンデをくれてやるよ」
ニヤリと笑って両手をヒラヒラさせる。
狼「…そうかい、なら遠慮はしない…ぜっ!」
素手で繰り出した右フックは胸元を狙ったが、虎が後ろに下がったせいで空振りする。
ルールA
武器は素手のみ
虎「どこ狙ってんだぁ、へなちょこさんよ?」
狼「…っるさいっ!」
狼はその流れのまま前転し踵を落とす。
虎「おっ、連続技が得意なのか…だが残念♪」
これも横に移動し軽々と避ける。