短編集

□卑猥なオーケストラ
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※この作品は、以前pixivに投稿していた作品になります。






開始時間を迎え幕が上がる。会場は一斉に拍手に包まれる。

出演者が風邪を引かないよう、暖房がフルで稼働している会場でも、緊張して少し涼しく感じる。

幕が上がりきり照明がステージを照らす。観客席は今日も超満員だ。

台座の上で指揮者が礼をする。それを合図に拍手が止む。

指揮者がタクトを振り上げ、オーケストラたちは構える。

僕の腰にも演奏者が手を添える。僕のお尻に入っている彼のちんぽがビクビクと脈打っているのがわかる。

指揮者がタクトを下ろし、滑らかな曲線を描く。

軸となるBGMが流れ、演奏者たちはそれに合わせて腰を引き音を奏でた。

ずぱん、ぱん…ぱん…

前奏は緩やかに始まり、優しく、波風立たない静かな海を連想させる。

ずぱん、ずぱん

「あっ、はんっ、ふっ…///」

突かれる度に声が出る。しかしこれは練習通り。

楽器の役目は決められたパートにしっかり声を出すことだ。自分のパート以外は声を我慢しなくてはならない。

そして余計な音を出さないこと。演奏者に全てを任せること。

つまりは、どれだけ演奏者(パートナー)に身を委ねられるか、信じられるか、ということが求められる。

ずぱん、ずぱん、ずぱん!

「あっ、あんっ!あふんっ///」

BGMに合わせて声を出す。

音域・音量などに気を付けながら、他の人の声に合わせなくてはならない。

ずぱん、ずぱん、ずぱんっ!

「あんっ、あっ、あぁっ、ふんっ!///」

演曲も中盤に差し掛かり、ソロパートや混合パートが増えていく。

ずぱんっ、ぱん、ぱんっ!

「あっ、あんっ!あっ、はっ!///」

ずぶずぶずぶずぶずぶぶっ

「んんんんんんっ!ふっ、やっ!///」

ずばんっ!ずばんっ!ずばんっ!

「やっ、あっ、がぁぁぁっ!///」

見せ場の1つでもある場面である。

そして終盤に入る。後半になると、気持ち良すぎて声を我慢することも難しくなり、何より脚がガクガクなってくる。

そんなときいつも、回りに聞こえないくらいの小さな声で、がんばれ、と声をかけてくれる人がいる。

そう、僕のパートナーだ。

おそらくだが、僕たちよりも演奏者の彼らの方がきついだろう。

雑音を防ぐため演奏者は声を出してはならない。そして何より、僕たちより先に射精してはならないという誓約がある。

たぶんいつ射精してもおかしくない、というのが僕の中で暴れるちんぽの動きで伝わってくる。

そんな状況の中で、僕ら楽器のことを気にしてくれている。

その気持ちだけで、僕は、僕らは、頑張れた。

ずばんっ、ずぶぶっ、ずばんっ!

「あっ!あんっ!ふっ!やっ!///」

脚に力を入れて、声をしっかり出す。

10分という短い演曲のクライマックスに向かって、指揮者のタクトの振りが早くなり、BGMも激しくなる。

それに合わせて演奏者の腰使いも益々激しくなっていった。
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