ミッション系高校!陽泉!!

□第五章
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ビーーーーッ!

試合の終了を教えるブザーが会場に響いて、陽泉はインターハイ出場が決まった。

なんというか……やっぱり嬉しいかも。

ここまで来るのに大分かかったけど、実際にはここからがスタート。

インターハイ本選には、キセキの世代の皆もいるんだろう。

そうしたら、確実に今まで以上に勝つのは難しくなる。

負けるバスケなんか楽しくない。

敦も常日頃に口ずさんでるけど、バスケは嫌いだけど、負けたくないから頑張るだけ。

私もその理念と遜色ない。

それ以前に、私に張り合うライバルは存在しなかったワケだけど。

「珠妃ちん、ケータイ光ってるよ」

「え?ホントだ…」

ケータイを開くと、真ちゃんからメールが届いてた。

【試合はどうだった?こちらは青峰の1人勝ちだったのだよ。まあ、紫原が負けるとは思ってないが】

へぇ…青峰の1人勝ち?

とゆーことは、真ちゃんは青峰か、黒ちゃんに負けたか…。

私は青峰と真ちゃんが上がってくるかと思ってたんだけど…。

そういえばそーだ。

青峰に負けても、あとの3試合で勝てばインターハイ本選には出場出来たのに。

惜しかったなぁ…。

【真ちゃん負けたんだ〜珍しいね。こっちは当然勝ったよ〜!今度里帰りするからお土産持ってくね〜】

返信すると、すぐさまメールが帰ってきた。

【そうか。楽しみにしているが、迷子になるなよ】

なっ!

失礼な!!

【はいはい。分かったよ〜…それじゃあまた今度ね】

これでよし!

うーん…なんというか、意外な結果になったな〜。

こんな想定外も赤司は算段してたりして……。

それはないか。

「よーし、敦は今日頑張ったからお菓子あげちゃうー」

「ホント〜?オレ珠妃ちん、スキスキ〜」

ほんとに敦は可愛い。

母性本能を擽られるとゆーか……昔からそうだったんだけどね。

「よし…これでワシもモテモテに!」

「ハハ、お前じゃムリだって!」

いや!

と、岡村先輩こと主将は仁王立ちで豪語した。

「バスケ部はモテる!!」

「「「………は?」」」

どうやら主将はモテたいらしい。

モテるという願望を叶えるために、モテるモテるというバスケ男子になったとか。

動機がバカすぎる!!

「大丈夫ですよ。いつか主将のようなムサイ男の人でも寛容に受け止めてくれる女性が一度くらいは現れるハズですから」

「それ貶してんのか誉めてんのか分からんわい!!!」

「まずはその顎と髭と……顔容姿、性格だな」

それってつまり……存在全てじゃん!

「てゆーか、岡村ゴリラがモテるなんてムカつく話アル」

「え、傷ついた。今のセリフでワシめっちゃくちゃに傷ついた」

うおおおおおお!

唐突に叫びだした主将を置いてきぼりにして陽泉は会場を去った。

「置いてきぼりはやめんか!誰か反応!!」

うん、無視だ無視。
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