ミッション系高校!陽泉!!
□第五章
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ジリジリと暑くなってきたけど、そんな暑くもない秋田。
今日も今日とて、平凡に過ごしていた。
朝はいつも通り、敦と朝食をとって、敦と登校して、敦と礼拝堂行って、適当に聖歌を歌って、フツーに授業が始まった。
けど何だろう。
頭がボーッとする。
まぁ、私がボーッとしてるのは毎日なんだけど。
ノートを下記写すヨユーもないくらいボーッとするんだけど。
うーん…。
「どーしたの?」
「んー…なんでもない……」
少し怠いだけだし。
敦に心配されちゃったけど、大丈夫大丈夫。
そんな風に受け流して迎えた放課後。
***
「っ…くしゅん!」
「ねー珠妃ちん。全然大丈夫じゃないでしょ〜」
部活の最中に敦が心配してくれた。
まぁ…たしかに、大丈夫では、ないかも。
実際は頭がグラグラするわ、肌寒いわ、体調は最悪なくらいに悪かった。
「ちょっと待ってて」
「?」
敦は主将達のところへ行き、何か話し込むとまた戻ってきた。
ちゃっかり、自分の荷物と私の荷物を持ちながら。
「え?何々っ?」
「珠妃ちん、行くよ」
え、えぇ?
結局、敦に引きずられながら寮に戻った。
***
「わわわっと…敦?」
「おじゃましまーす」
問答無用に部屋に上がられる。
荷物を手荒く置いた敦はそのまま立ち尽くす私を乱暴に担ぐと、ベッドまで運んだ。
「え、なに?どしたの?敦?」
「珠妃ちん、体調悪いんでしょ」
「あー…まぁ、ハイ…」
誤魔化したって、きっと敦は気づいてると思って観念した。
「仕方ないからオレが看病してあげる〜」
え、出来るの?
いや、嬉しいのだけれども……敦に果たして看病が出来るのか?
「え…ちょ、練習は?」
「早退したから大丈夫ー」
全然大丈夫じゃないわ!
「はい、後ろ見てるから着替えて〜」
「う、マジで…?」
ほんとに敦が後ろ向いた。
えー…着替えるの…?
「う、うしろ見ないでね!」
「うん。すっごーく…すっごーく見たいけど…我慢するー」
こ、こわ…!!
ケダモノだ!!!
恐怖を感じた私はマッハで着替えた。
「着替えた〜?」
「おっけー」
着替えたらそのまま寝かされた。
うん、最近睡眠時間が足りなかったからありがたい。
ウトウトしてると、敦が冷えピタンを額に貼ってきて思わず眠気がぶっ飛んだ。
「あー…珠妃ちん可愛い。熱がなかったら食べちゃいたい」
「敦のエッチ!」
「だって珠妃ちんが美味しそうなんだもん」
なんか…熱が下がったら食われそう。
「うー…」
そんなやり取りをしてる間に睡魔が襲ってきて、私は眠った。