ミッション系高校!陽泉!!
□第五章
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翌日。
敦のおかげで熱も平熱に戻ったし、+αで敦がスゴく優しいんだけど!?
いつからそんな優しい子になったの…!
それをつい口走ったら、敦はさも当然の如くに胸を張って、
「オレが優しくするのは珠妃ちんが好きだからだし」
だって。
もうなんか、最近の敦がかっこよすぎて心臓がもたないよ…!
「珠妃ちん、具合ホントーに大丈夫?」
「うん。敦のおかげだね〜」
「ん、大会に珠妃ちんいなかったら嫌だし」
最近気づいた。
無邪気に素直を掛け持つ敦はホントーに反則だと思う。
なんでこうも可愛いの!
***
夏休みまで残り僅かな時。
「すいません、ちょっと里帰りします」
「え?」
部活にて私は里帰り宣言をしました。
「え、ええ?!なんでイキナリ?!」
福井先輩が驚愕してる。
そんなに驚くことなのかな…?
「ちょっと買い出しに。敦のスポーツ用品って特注だから東京まで取りに行かないといけないんです。あと、個人的に東京が恋しくなったんで」
と言っても、里帰り期間は二泊三日だけど。
「まぁ…それなら仕方ないアル」
「あと、敦は置いて行くんでお願いします」
「えっ」
案の定、敦がビックリしてる。
大会間近にレギュラーの敦を連れて行くワケにはいかない。
私も寂しいけど…。
「オレも行きたい!」
「「ダメだ」」
謎のシンクロ率。
「分かった。紫原は任せておけ!」
「はい!お願いしますっ」
「珠妃ちん〜!!」
***
駄々をこねる敦を置いて行くのは少し…いや、かなり心許なかったけど。
久しぶりの東京に少し心が温かくなった。
キセキ達とたくさん遊んだ思い出もあるし、思い出したくない記憶もあるけど……ともかく、
「里帰りしました!」
東京なう!!
とりあえず、荷物を家に一度置いて久しぶりにあの人に会いに行こうとした。
元気かな〜?
なんて思いつつ、自然と上がる口角を隠さずにバスに乗り込んだ。