ミッション系高校!陽泉!!
□第五章
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「なんで知ってるんだ?!!」
「え…だって…全中の決勝で戦った、昭栄中の木吉鉄平さんじゃないの?」
覚えてないのかな?
「どうなんだ、木吉」
「………いっけね!忘れてた!」
「忘れんなよ!!」
眼鏡の先輩が木吉さんを殴っ……え、殴った?!!
「悪いな、コイツ天然だから」
「あ、はい…大丈夫です……?」
うーん……まさか誠凛に木吉さんがいるとは……!
敦が暴れそうだな……。
それ以前に忘れてるかも分かんない。
「いや〜スマン!忘れてた!」
「あ、あははは………」
大丈夫だ。
この人も忘れてたし!
***
「送って行かなくても大丈夫ですか?」
「大丈夫ー今から桐皇行くからー」
そう。
今から桃井ちゃんの所に会いに行く予定。
またバスに乗らなきゃいけないんだよね〜…。
「私と敦はまだインターハイだけど……もし闘うとしたらウィンターカップだね!」
「はい。負けませんよ」
「うん。あ、なんか困ったことあったら出来るだけ力になるよ〜」
「ありがとうございます」
そんな程度の話をして私はバスに乗り込んだ。
あー…桃井ちゃん、元気かな〜。
***
と、着きました〜!
桃井ちゃんと青峰が通う、桐皇学園!
あ、因にだけど私は一応、陽泉の制服を着てたりする。
私服で入るのもマズイ気がしたし。
ではさっそく、体育館を探しますか!
あ、そうそう。
桃井ちゃんや青峰にはサプライズで来てるから内緒ね。
「自分、何してるん?」
「ん?」
後ろに振り向いたら、眼鏡かけたニコニコしてる人がいた。
見るからに桐皇学園の生徒だ。
「自分は白柳珠妃って言います。すいません、バスケ部ってどこで練習してますか?」
「バスケ部になんかあるんか?自分、バスケ部の主将やってんねんけど」
え。
この人が桐皇の主将?
なんか……フツーだ。
「知り合いがバスケ部なんです。お邪魔しちゃダメですかね?」
「ん?構わへんよ。ほな、案内したるで〜」
関西弁…!
なんかカッコいい!
あ、敦の次にだから大丈夫!
***
お、おぉ…!
なんか…スゴいチームだ。
みんな個人個人が自分の技に磨きをかけてるってゆーか…。
私のちまい情報網では、個人技重視の超攻撃型チーム。
誠凛は学校自体も創立されて真新しいし、バスケ部が創部されたのもとても最近らしい。
桐皇はそうでもないみたいだけど、最近は全国から有望な選手を集めてるとか……と、私が知ってるのはここまで。
桃井ちゃんみたいに、情報網がスゴいワケでもないし。
「すいません。ありがとうございます……えーと、」
桃井ちゃんはどこかな〜…。
と、探していたら…
「珠妃ちゃん?」
あ、バレたー!
「おー…久しぶりー!」
ま、いっか…驚いたみたいだしー。
あー…相変わらず可愛いなー…。
「なんで来ること教えてくれなかったのー?ビックリしたなぁ、もう…!」
「ごっめーん!ちょっと野暮用があったからさ、それも兼ねて里帰りしたんだ」
あれ?
青峰がいない?
あ、もしかして……。
「青峰は?サボり?」
「………うん…」
あーあー!!
ホントーにアホかアイツは!
桃井ちゃんを!
困らせる!
なんて!
「よし、青峰呼ぼう」
「えっ?!」
ケータイで青峰のケータイに電話をかけた。
出ろ。
マジでキレる五秒前に入るぞ。
そう思ったとき、なんとも言えないタイミングで出やがった。