ミッション系高校!陽泉!!

□第五章
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『あー?』

「あー?じゃないよ。ねー練習は?なんで出てないのー?」

『………今、どこにいるんだ?』

「え?桃井ちゃんの隣だけど?」

ブツッ…!

……………………………。

切りやがったぁぁぁああああああああッ!!!

「アイツぅ……!」

「なんや、青峰と桃井のお友だちやったんか」

「はい。この子は、白柳珠妃ちゃんって言うんです」

「えぇなぁ……ウチに欲しかったわ」

欲しかったわって……ん?

欲しかったわ?!!

「え、私…桃井ちゃんみたいなスゴいこと出来ませんよ?」

「青峰の面倒みてくれるだけでええねん。いつものアイツなら電話しても来てくれへんもん」

アイツぅ…!!

主将にも迷惑かけてるのか…。

救いようがない。

「アイツはほっときゃいーじゃないすか!」

「スイマセン!スイマセン!自分同じクラスなのに…!」

アイツぅ!!

チームメイトにまでも迷惑かけてるのか!!!

「さつき!珠妃は?!!」

「ここじゃアホ!」

走ってきた青峰を横からゲシっと蹴った。

「ってぇ?!っにすんだよ珠妃!!」

「また練習サボってんでしょ?何やってんの?あの敦でも練習してるよ?舐めてんの?舐めてんの?」

「なんで舐めてんの二回も言ったんや?!!」

だって舐めてる。

青峰がこんなのだと敦が可哀想だ。

練習しなくても勝てると思ってんのか、コイツは!

「うっせぇな。説教垂れにきたのかよ」

「いや、里帰りだけど?」

「なんなんこの子!説教なのかちゃうんか分からんわ!!」

主将さんの叫びが聞こえるけどこの際無視だ。

「……まぁ、どうでもいいけどよ。文句あんならコレでつけよーぜ」

案の定、バスケを仕掛けてきた。

うーん…でも今の青峰はやっぱムカつくし。

「…いーよ。やろーか…わんわんお」

……………………。

「………」

「………」

「………」

「…間違えた。わんおんわん…やろう」

恥ずかしい。



***



「制服で大丈夫?」

「ん、下にズボン履いてるし…おっけー」

あー…久しぶりだな…。

青峰とバスケやるのは。

正直、勝てるか分からないけど。

「先攻は青峰からでいいよ。めんどくさいし」

「手ぇ抜くなよ」

え……抜こうと思ったのに。

まぁ、いいや…集中しないと青峰の速さには着いていけない。

「じゃあ……いくぜ」

一瞬だった。

青峰がその場でターンすると、ボールをバウンズさせる。

浮かび上がったボールに少しビックリしたけど、ここは態勢を整えた方が得策。

目の前に浮かび上がったボールをそのままに、私はそのまま後退した。

「!」

右、左、不規則な動き。

そしていきなり、

「!!」

フォームレスシュート。

真上に跳ぶ青峰を真ん前から止める。

まぁ、私は空中戦も得意だから。

バコン!

という音と共に、ボールを弾いて今度は私が攻める。

フェイクを入れながらドリブルして、ゴール近くでシュートを構える。

「ツメが甘ぇな!」

「っと、」

見せかけて……フェイクでしたー!

ブロックに跳んだ青峰を追い越してゴールまで走る。

「ん、せぇーのッ!!」

ちょっとしんどかったけど、思いっきりボールをゴールにぶつけた。

私のダンクが決まって私の勝ちだ。

「ふーっ……疲れた…」

「かはっ…さすがだな、珠妃」

青峰も楽しげに笑ってた。

「やっぱウチに欲しいわ。なー桜井」

「えっ、えっとスイマセン!」

「だからなんでテメェは謝ってんだよ!!」

うん、個性的なチームだったかな。



***



「今日はありがとうね」

「いえいえ〜。これから真ちゃんのトコに行くから、ここで大丈夫だよ」

桃井ちゃんに見送ってもらって、学園を出た。

「青峰の気持ちも分からなくはないけどさ、」

「うん」

「練習サボるのはよくないね…」

練習しなければ何も伸びない。

まぁ、練習したら周りとの差が開くっていうのもあるけど。

それとこれとは別物。

練習は怠っちゃダメだと思う。

「青峰、大変だけど…頑張ってね」

「うん…珠妃ちゃんも、ムッ君と頑張ってね」

お互いに笑いあってインターハイに会おう、って言って別れた。



***



はい。

続いては、秀徳高校。

なんとゆーか……ボロい。

あり得ないくらい校舎がボロボロなんだけど?!

「珠妃?」

「あっ、真ちゃん……って何そのリヤカー?!!」

真ちゃんは男の子にリヤカーを自転車で引っ張ってもらっていた。

「なぜ、珠妃が……それと、リヤカーじゃない。チャリヤカーなのだよ」

「知るか」



***



なんか……悪いんだけど。

「えっと…なんか、ゴメンね。真ちゃん大変でしょ」

私と真ちゃんを乗せたリヤカーを引っ張る男の子に申し訳なくなった。

「大丈夫っ…も、慣れた…ぐぬぬぬっ…!」

大丈夫そうに見えない。

手伝いなよ!

真ちゃん!!

これは毎日やってるのか?!

なんとゆー鬼畜な…!!
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