ミッション系高校!陽泉!!

□第二章
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うーん。

鏡とにらめっこすること数分。

「あー寒い。秋田県ってこんなに寒いのー?」

寒い。

寒すぎる。

とは言っても入学式をサボる理由にはならない。

「うし!行くか!」

敦と一緒に行く約束してるし、早く行かないと混むし。

敦も私も人混みが好きじゃないから、二人で決めたんだけど…。

「ねぇ…流石に早すぎたんじゃない?」

「えー…もういいよ。行こうよ学校」

「はいはい」

「ハイは一回、って赤ちんが言ってた」

「赤司……ムダなことを…」

赤司め許さない。

でも勝てる気がしない。

「お、案外広ーい。つかデカすぎる…」

「うん。早く食べたいなー」

また食べ物か。

きっと敦の頭の中には食べ物のロマンスがたくさん詰まってるんだろーなー…。

「今、変なコト考えたよね?」

「いや別に考えてないよ?」

あっぶねー…。

最近の敦は回りに敏感になった。

多分赤司のせい。

許さないぞ赤司。

「おー…クラスの表出てる」

「え〜と…あ、オレここだ」

「んと、あ…敦と一緒だ」

奇跡じゃないの?

なんでこんなにクラスがあるのに敦と一緒なんだろう。

「やったー」

「んー…なんかやっぱ嬉しいや」

「白ちん、」

「んー?」

「名前で呼んでいーい?」

は?

今、なんて言った?

「珠妃ちんって呼びたい」

「えー…まぁ、別に許可取らなくても呼びたいなら呼べばいいじゃん」

「うん!」

嬉そーだな、おい。

「教室行こー」

「うん」



***



「あ、私たちが一番乗りだね」

「見て見て。席は自由だってー」

お、なんだこの高校。

自由…すぎない?

「敦は一番後ろだもんね」

「うん。珠妃ちんも一番後ろのオレの隣ね〜」

「おい」

勝手に決めるでない。

ま、そうしようと思っていたけどさ!

「窓側の〜一番後ろ〜」

「好きだね〜窓側」

「うーん。だって、たまに雲が食べ物の形になって美味しそうなんだもん」

ですよねー…君に限って風が気持ちいいからとかないですよね。

やっぱ食べ物のロマンスで頭の中いっぱいなんだな。

「またなんか変なコト考えたでしょ〜…?」

「いやいや!そんなワケないよ〜」

ヤバイ。

そのうち思ってること全部悟られそう。

「はー…眠い。オレ寝る〜」

「じゃあ入学式前に起こすね」

隣の席ですやすや眠りだした幼馴染みを尻目にケータイを開くと、黄瀬からメールが入っていた。

【珠妃っち♪久しぶりっスね〜(*^^*)珠妃っち入学式緊張してると思って励ましメール送るっス!オレも女の子に付き纏われて大変なんスよもう…(´・ω・`)珠妃っちになら大歓迎なんスけどね☆ミ珠妃っちも男子には気をつけ】

ウザいわ!

長すぎて読むのも疲れる!

そしてさらりと嫌味!

とにかく返信に【死ね】…と。

はい、送信。

「はぁ…」

なんか疲れた。

しかもいつの間にか、教室に人集まって来てるし…。

教室を見渡してると、再びメールが届いた。

黄瀬だったら殴る。

「え、青峰から…?」

なんだろう…?

【おっぱい揉ませろ】

死ね!!

死ねばいい!!!

とにかく、再び【死ね】と送信。

そーいえば青峰ってそういうヤツだったよ…思い過ごした私のバカだった。

「私は信じない…キセキの世代だということを信じない…」

まぁ、これで一先ず落ち着いた…と、思いきやまたメール。

今度はなんだ…。

って赤司か…。

まともだって信じたい、信じたいけど……!

【今日の下着何色】

え、ええええええ。

なんか怖くて死ねと送信出来ないいいいいいいいい。

【知るか】

とりあえずコレで。

あーあー…なんかなー泣きたいなー……。

と、メールがまた届いた。

赤司だったら死亡フラグたったなコレ…。

【今日のお前の運勢は最悪なのだよ。かわいそうだからラッキーアイテムの写真をやるのだよ】

………………………。

緑間……私、ちょっとだけ見直したよ…。

【ありがと真ちゃん。もう手遅れだったけど…】

ホント、色々な意味で手遅れ。

あーあー…。

そんな感じで過ごしていたらいつの間にかかなりの時間が経過してた。

「敦〜。あーつーしー…」

「へあ〜…なに?珠妃ちん…」

「いや、入学式だって」

「そっかー…忘れてた」

忘れちゃイカン!!

忘れちゃ!!
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