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□半獸化
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「いい加減起きろっちゅー話や!!」


『うああ!!』



どすん!とベッドから落とされる。



『いてて…。謙也!!!!なにすんの!!!』


「さっさと起きひんのが悪いんや。」



ツーンとそっぽを向く謙也。


だけど尻尾はバサバサと動いている。


「わ!なんやこれ!!喜んでるわけとちゃうねんぞ!!」


必死に尻尾を隠す謙也が可愛くて思わず吹き出した。


『謙也可愛い。』



かぁっと顔を真っ赤にして謙也は俯いた。


「うっさいわ!!!アホ!!!」


『謙也、光も起こしてあげて』


「自分で行けや!!!」



ぷりぷりと怒りながら部屋から出て行ってしまった。


溜め息をつきながら光の寝ている部屋へ向かう。



『光ー!起きてー』

ドアの前から声をかけた。


ガタガタン!!


「なまえさん!?」


さっきまで寝てたんだろうなあ…。


倒れてる耳が可愛らしい。



『おはよ、』


頭をわしゃわしゃ撫でるとスリスリと甘えてくる。


「おはよ、ございます…。」


『ひかるー!』


朝から謙也にツンケンされたから甘えてくる光が可愛くて仕方ない。


「なにしてんねん。」



ピンク色のオーラが一気に凍る。


バッと身体を離す光。



「朝からなんや楽しそうやなあ?なまえちゃん?」


『おおおはよう!!蔵ノ介くん!!!!』


「無防備なんも可愛え、と思うけど…。」


肩に腕を乗せられては髪をいじられる。

長い耳が楽しそうに揺れて。





「相手は財前やのうて俺やろ?」



『でも光が可愛くて「なんやて?」
…すみません』




うん、ええ子。

そうつぶやいた彼は私のほっぺにキスを落としてランラン鼻歌を歌いながら階段を降りていった。




「おれも、」


後ろにいた光もおでこにキスして甘えてくる。




「あ、謙也さんや。」


『ほんとだ』



「おおお、おれはちゅーなんかしてやらんからな!!」



やっぱりまだ怒ってる。






こんな賑やかなメンバーで今日も我が家は愉快です
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