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□愛してくれてもええですよ
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「光ももうお兄ちゃんやねんからな。」


今まで俺が一番

一番愛されてた財前家



そっと悟る



今日からはコイツが俺の家で一番可愛えんや。



もう、おとんもおかんも兄ちゃんも、コイツが可愛えんや。








案の定、あれから家族みんな甥っ子に夢中やった。



俺なんか見えへんのや。





寂しくない、寂しくない、寂しくない。



「痛っ…」


耳に穴をあけた。


おかん、俺不良になってまうよ?


「光、それかっこええやん。」


ピアスを指差して兄ちゃんが言った。


「自分であけた。」

「痛くないん?」

「そんなん平気や。」

「強いなあ」



強いわけあらへんやろ


なんで、なんで怒ってくれへんの







「先輩、すき。」


部活でマネをやってる先輩を抱き締める。


『ひかる、』


俺が寂しがってるのを何となく気づいてる先輩は俺を拒否せえへん。


「すきすき」


『…ひかる。』


頭を撫でてくれて、いっぱい笑いかけてくれて。


先輩、ほんまに好きや。








ある日、たまたま部室に携帯忘れてもうて取りに帰った


ドアに手をかけたら中から声がしてぴたっと動きを止める。


悪いとは思いつつ聞き耳をたてる。


「なあ、自分ふざけてるん?」


『え…と、私なにかしちゃった…?』


中に居るのは部長と先輩や。



「自分が誰のもんか分かっとるんか。」


『もしかして、ひかるのこと?』


「彼女が目の前で他の男に抱き締められてて、何とも思わん奴はおるんかなあ?」


『ご、ごめん』



付き合ってたんや。

真っ暗になる視界。


いつだって、いっぱい好きなのは俺だけや。



「財前が好きなんか。」


『光のことは好きだよ』


「俺、今さらお前離せへんで?」


『いいの、離さないで』






『蔵のことは、愛してる。』






その言葉のあと、先輩の息をのんで、そんでそんで



キスしてんのが分かった。










羨ましい、羨ましい羨ましい


甥っ子が

部長が






俺も見てや。





▽なんだか暗い話になっちゃったよ(^_^;)

ひかちゃんはみんなに愛されてるよ←結果こうなる話

長編いけそうな気がしてネタ部屋に書いたけど、やっぱ私に長編とか無理そう
てか暗くなりそうだからまた今度書こう

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