仮面ライダーディライト-世界の光導者-
□第14導 ネガわない記憶を取り戻せ!
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『チィッ…超異点の存在を計算に入れるのを忘れていたとは…!!』
一方ユニコーンイマジンは、先程のトキナが話していた超異点の存在を失念していた事に舌打ちをしながら悔やんでいた。
『完全に世界を消すには、超異点の過去に行き、その人間を始末せねばな…!!行けっ!!分身共!!』
『ケケケ…!!』
案の定、ユニコーンIは超異点の存在を抹殺すべく身体から無数のパンプキンIを生み出した。
『超異点の存在をしらみ潰しに捜し出せっ!!その間余は喰らった記憶を辿り、その人間を確定する。』
『ケェェッッ!!!!』
本体の命に従い、パンプキンI達は人々を襲いに動き出した。
(!!ねぇディライト!イマジンが動いたわ!!)
ペルシアは、イマジンを探知した事をマシンディライターに乗った闇影の意識に呼び掛ける。
「そうか!場所は?」
(私達が教えた通りに進んで下さいませ!)
―都内中心
『ケケェェッッ!!!!』
「う、うわあぁぁっっ!!!!」
「きゃあぁぁっっ!!!!」
パンプキンI達は人々を襲い、蹂躙し捕らえた人間の過去の扉を開き超異点の存在を探っていた。そこへ…
「止めろぉぉっっ!!!!変身!」
【KAMEN-RIDE…DELIGHT!】
闇影はマシンディライターに乗った状態でディライトドライバーを装着し器用な手付きでカードを装填しディライトに変身し、マシンから飛び降りた状態からパンプキンIにキックを喰らわせた。
『グガッ!!?』
『うじゃうじゃいるな…此処は援軍を呼ぶぞ!!』
【FINAL-SHADOW-RIDE…DE・DE・DE・DEN-O!】
ディライトは自身の影を、中心に電王の基本四フォームの電仮面が特徴の赤い大剣「デンカメンソード」を装備した、時の大型列車「キングライナー」をイメージした赤と白を基調としたオーラアーマーが特徴の、電車の中の電車王「仮面ライダー電王 ライナーフォーム」にFSRさせた。
(あれは…電王!?)
(でも、あたし等のとは違うみたいね…。)
【ATTACK-RIDE…RYU-GUN!】
ディライトがカードを発動させると、S電王LFのデンカメンソードのターンテーブルが回転し、一番上がガンフォームの電仮面に切り替わる。そのまま、二手に分かれてパンプキンI達と戦った。
『はぁっ!やぁっ!せいっ!!』
『グギャアッ!!』
『……!!』
『ギィヤァッ!!』
ディライトはライトブッカーで敵を次々と斬り裂いていき、S電王LFはガンフォーム独特の軽快なステップを取りながら切っ先から紫色の光弾をパンプキンIに連射し、そして…
『数は粗方減った!止めと行くか!!』
【FINAL-ATTACK-RIDE…DE・DE・DE・DEN-O!】
ディライトが電王のFARを発動すると、彼の横側に黒の、S電王LFの横側に金色のレールが敷かれ、背後からデンライナーのオーラが超スピードで現れた。二人は武器を持った状態でその上に乗り、電車の如く滑走し…
『はあぁぁぁ…電車斬りっ!!』
(((ええぇぇっっ!!!?センス無〜いっ/悪過ぎますわっ/無さ過ぎだっ!!!!)))
『グギャアァァァァッッッッ!!!!』
オーラを纏ったまま横一文字に斬り裂きパンプキンI達は大爆発した。必殺技は「フルスロットルブレイク」…なのだが、ディライトが何故か「電車斬り」と呼ぶ。三人のイマジン達は、センスが無いと批評する。
「ふぅ…これで終わった…。」
(闇影!直ぐにリョウタロウの所へ行け!その南瓜達は単なる囮だっ!!)
「何ですって!?場所はっ!?」
変身を解除した闇影は、トキナから先程のイマジン達は囮だと聞き、リョウタロウの場所を聞き出した。
「……。」
一方、リョウタロウは無言のままとぼとぼと街を歩き、姉のいる「星のカーテン」へと向かっていた。
「…もう一度姉さんの様子を見に行こう。」
記憶を取り戻さない限りこんな事をしても無意味なのは分かっているが、ついそこに足を運ぶリョウタロウ。すると…
「あら、リョウタロウ君。こんにちは!」
「ね…ア、アイリさん!こ、こんにちは!!」
買い物袋を持ったアイリが現れ、何時ものにこやかな笑顔で挨拶をしてきたので、リョウタロウもぎこちない笑顔で挨拶を返した。彼女が姉だと言う事は伏せて…。
「あ、あのっ…!!」
「んー、何かしら?」
「ボ、ボクは…貴女の…!!」
リョウタロウは、自分が弟である事をアイリに告げようとしたその時…
『見つけたぞ…この世界の超異点、反田アイリ…!!』
「「!!」」
突如ユニコーンIが二人の前に現れ、アイリをこの世界の超異点だと告げた。
『記憶を辿って見れば、よもやネガ電王の姉が超異点だとは…灯台もと暗しとはよく言った物だな!!』
「姉さんが…超異点…!?」
「姉…さん…!?リョウタロウ君、この人何言ってるの?」
「そ、それは…。」
アイリはユニコーンIの寝耳に水な言葉に困惑しており、リョウタロウもそれに答えるかどうか迷っていた。しかし、それとは裏腹にユニコーンIが近付き出した。
『さて…貴様の過去の時間に跳ばせて貰うぞっ!!』
「や、止めろぉっ!!アイリ…姉さん!!早く逃げてっ!!」
だがそうはさせじとリョウタロウはユニコーンIを押さえ、アイリを姉だと呼び逃げる様叫んだ。
「う…うん…!!」
アイリは少し戸惑ってはいたが、リョウタロウの言葉に従い、逃げる為走り出した。
『くっ…!離せ!無礼者!!』
「うわぁっ!!」
だがその華奢な身体ではイマジンはおろか普通の人間を長い間押さえる事は出来ず、リョウタロウは引き剥がし投げ飛ばされてしまった。
「はぁ…はぁ…はっ!!」
『逃がさぬぞ…超異点よ!!』
「い…いや…止め…!!はうっ…ぅうん…。」
アイリは逃げようとしたが、ユニコーンIは馬の如く素早く彼女の正面に回り込むと、すかさずアイリの身体に腕を突っ込みかき回し、過去の扉を開きその中へと飛び込んだ。そしてアイリは目から輝きを失い、呆然とした。
「姉さん!しっかりして!!姉さんっ!!」
「リョウタロウ君!!」
「闇影さん…姉さんがっ…!!」
「落ち着いて。えーと、チケットは…。」
リョウタロウはただただアイリの身体を揺すり動揺していた。そこへマシンディライターに乗った闇影が現れ、リョウタロウに落ち着く様宥めてライダーチケットをアイリに翳した。すると、チケットにユニコーンIの絵と「2007年1月28日」の日付が記された。
「この日は…!!」
「早く行こう!!」