仮面ライダーディライト-世界の光導者-

□第9導 カリスマな鯛焼きはいかが?
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―フラッシュ薬局


「う〜ん…腹が痛ぇ…。」

「大丈夫?コウイチ君。」

「全く…皆で食べようと思ったたい焼きを一人で全部食べるから罰が当たったのよ。」

「ち…違う…それ俺じゃない…期限切れの牛乳を飲んじまったからだ…。」

ここ「カリスの世界」でコウイチは、腹痛を起こし腹を抑え寝ながら苦しんでいた。

「それよりコウイチの腹痛を直さないと。俺が処方した腹痛用の薬を飲め。」

「闇影…お前って奴は…って、えっ!?」

白い服を着た「薬剤師」の闇影の言葉に一瞬感動したコウイチだが、「処方した薬を飲め」という言葉を聞いて顔を青ざめた。

「安心しろ。蝉の脱け殻に乾いた百足、鼠の目玉その他漢方薬諸々を擂り潰した物だ!」

満面の笑みを浮かべた闇影が持っているのは、今上げた物を全て擂り潰して粉にした物を乗せた紙だった。

「安心出来るかっ!!って、お、おいっ…!ちょっと待てよっ!?んなモン本気で飲ます気かっ…!く、口に無理矢理流し込…む…ゲェヤアァァァァッッッッ!!!!」

薬を無理矢理口に流し込まれたコウイチは、この世の物とは思えない物を見た様な悲鳴を上げ、泡を吹かせてバタンと死んだ様に倒れた。

「これで良し!」

「ええっ!?これで良い訳無いでしょ!?ちょっと!!先生!!?」

闇影の薬のおかげ(?)で落ち着いたコウイチを置いて、闇影は黒深子と共に、新しいたい焼きを買いに出た。

「んふふ…ご馳走様…♪」

それを影から見ていたのは、たい焼きを食べた犯人だった。どうやら女性らしい…。



「さて…たい焼き屋もだけど、カリスは何処にいるんだろうな?」

「(…先生と二人でいるのは久しぶりね。なんか…デートみたい…///)ねぇ先せ…」

「うわぁぁぁぁっっっっ!!ば…化物だぁぁっっ!!」

『グゥゥッッ…!!』

黒深子が闇影に話掛けようとした時、バックルをした赤い百足の異形「センチピードアンデッド」が人々を襲い、人々がそれから逃げる光景を見た。

「あれは…アンデッド!」

アンデッドとは、一万年前に行われた「バトルファイト」という自らが世界の支配者になるべく、戦い合う異形である。その名の通りいかなる方法でも死なず、倒すには「ラウズカード」というカードに封印するしか無いのだが…

「俺はその方式を無視して倒す事が出来る!変し…「待たんかい!待たんか〜い!」って、あらっ!」

ディライトに変身しようとする闇影だが、突然アンデッドに向かって走る青年の叫びに驚いてコケた。

「見つけたで、アンデッド…人様の平和を台無しにする奴は、お天道さんが許しても、この噛矢切人(かみや・キリト)が許さへんでっ!」

黒い髪を一本結いにした頭にバンダナをし、腰にエプロンを着けた青年・切人はセンチピードUを挑発した。そして、腰に赤いハート型のバックル「カリスラウザー」が現れると、片手で蟷螂の絵が描かれたトランプの様なカード、ハートA「チェンジマンティス」を読み込ませた。

「変身!」

【CHANGE】

電子音が鳴った瞬間、切人の身体が揺めき、黒い蟷螂をイメージしたハート型の複眼のライダー「仮面ライダーカリス」へと変身した。

「あれが…カリス…!」

『行っくでぇぇっっ!!』



―世界の光導者、ディライト!9つの影の世界を巡り、その瞳は、何を照らす?『
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