仮面ライダーディライト-世界の光導者-

□第12導 悲しみ無き明日
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ディシーフを攻撃された事に激怒したディスティールは、自身のFARでディライトを抹殺しようとするが…

『ふっ!!』

『何っ!?ぐあっ!!』

歌舞鬼は、動物の絵が刻まれたディスク「アニマルディスク」をディスティールの手元に投げつけてドライバーを叩き落し、彼を変身解除させた。

『カブキさん!』

『勘違いするな。俺は敵の攻撃を阻止しただけだ…。更に…喰らえっ!』

歌舞鬼は、緑色の炎を灯した翡翠色の撥「音撃棒・烈翠」を取り出しディシーフと周に向けて太鼓を叩く様に振ると、無数の炎が彼等を襲った。

「熱っちちちっ…!!どうすんだ、巡ちゃん!?」

『ここは一旦引き上げるしかないわね…次こそ必ずその音叉を戴くから。じゃあね♪』

【ATTACK-RIDE…SMOKE!】

『うわっ!煙幕か!?』

ディシーフは「スモーク」のカードを使い煙幕を作り出し、それが止んだ時には二人は姿を眩ましていた。

「ふぅ…何とか退いたか…カブキさん、さっきは助けて下さってありがとうございます!」

「何度も言わせるな。俺は敵の攻撃を防いだだけで、お前を助けた覚えはない。」

「なら最初から音撃棒で攻撃すれば良かったのに、態々アニマルディスクを投げつけてから攻撃したんですか?」

「あ、あれは…「カブキさ〜ん!!」」

カブキは闇影を助けた覚えは無いと否定するが、彼から尤もな反論を受け言い淀んでいた。丁度その時、庵からカスミ、キョウスケ、ヒナカの三人が出て来た。

「大丈夫ですか!?どこか怪我はしてませんか!?」

「馬〜鹿。んな訳ねぇだろ。カブキさんはとーてーも強ぇんだからよ!」

「ああ、とても強かったよ!それにさっきなんか俺を「少し顔を貸せ。」えっ?ちょっ、ちょっと!!」

闇影は三人に自分がカブキに助けられた事を話そうとした時、彼に少し離れた場所迄引っ張られた。

「さっき起きた事は絶対あいつ等に言うな。」

「え?何でですか?」

「い・い・か・ら絶対に言うな!今日一日ここで泊まらせてやるから!」

カブキは小声で、先程の行動を一日泊まらせる事を条件に闇影を必死に口止めしだした。

「は、はい…。」

あまりの勢いに闇影はつい了承し、それに安心したカブキは彼と共に子供達の下へと戻った。

「…昼間の礼としてこいつを一日だけ泊める事にした。」

「「ええっ!?あのカブキさんが人を泊めるっっ!?」」

カブキは「昼間に子供達を助けた礼」として闇影を泊める事を子供達に話した。すると、自分達以外の人間が嫌いなカブキからこんな言葉を聞いた彼等は、大層驚いていた…。



―森の中


『なんてやつらだ。おにでもないのにこどもたちをたおすとは…。』

『ここはいちど「あのかた」に…』

『妾(わらわ)に会わずとも話は耳に入っているぞえ。』

『『!!あ…ああ…』』

童子と姫はディライト達の事を「ある人物」に報告しようとした時、何処からか「その人物」の声が聞こえ、それを聞いた二人は何故か怯えていた。

『何者かは知らぬが、中々興味深い人物じゃのう。…彼奴等のせいで妾の今宵の食料を確保出来なんだ…という話かえ?』

ディライト達の話に興味を持っていた「人物」は、彼等のせいで子供達を拐えなかった二人に憤りを感じ、そして…

『『ひっ…!た、たすけ…ぐああぁぁぁぁっっっっ!!!!』』

童子と姫は森の奥から現れた黒い何かに捕われ、引き摺り込まれていき断末魔の如く叫び闇の中へと消えていった…。

『使えぬ奴等じゃ…こうなれば妾が直接行くしかあるまいな…。』



―世界の光導者、ディライト!9つの影の世界を巡り、その瞳は、何を照らす?
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