拍手録
□安心できる幸せ
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互いの荒いだ息が治まった頃、まだ桜色に染まり火照る華奢な身体を後ろから抱きしめた。
すると君は腕の中で僕に向き合うように寝返りを打つ。
汗が互いの肌を吸い寄せ、胸に君のそれがひっつき、二人の心の臓が同じ速さで音を刻んだ。
この音が気持ちよくて、君に触れるすべての場所から温かいなにかが湧き出て、それは安心というものに生まれ変わる。
僕が君を守っているつもりでいたけど、本当は違うんだ。
僕と君は一緒にいることで強くなれるんだ……なんて、君の額に汗で張り付いた髪を梳きながら想った。
『 総司さん…… 』
「 ん…なあに? 」
すると君は僕の瞼に優しく口づけた。
『 私、幸せです。 総司さんと一緒に入れるだけで、触れ合うだけで幸せなんです 』
君はとびきり可愛い笑顔で呟いた。
もう君には敵わない――
どうして僕の想ってることわかるの……
「 僕もだよ 」
そう囁くと彼女に甘い口くちづけを落とした。
触れ合った唇から温かいものがまた涌きでてきた。
君が傍にいないと僕は安心できない――君に触れるから僕の心は穏やかになるんだ――
僕は君がいないと駄目なんだ――
【後書】
この作品は10000HITのフリー企画用に考えたのですが、短く仕上げた方がまとまったのでWeb拍手SSにいたしました。
読んでいただきありがとうございました。