宝物録
□恋する… 〜原田 左之助編〜
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「本当にいいのか」
『はい、あまり飲みすぎないでくださいね』
「ああ、じゃあ行ってくる」
今日、新選組幹部は島原へ行くことになったらしく原田さんやみなさんは私も誘ってくれたけど、さすがに女である私は入ることが出来ないと思いその誘いを断った(男装はしているけれど)
原田さんが行ってしまったあと、私はとくにすることもなかったので少し早いが寝ることにして布団に潜り込んだ
『はあ…………眠れない、』
いつもなら原田さんの温もりに包まれて眠ることが出来るのにその温もりがないだけで眠れない…
原田さんとは、最近恋仲になったばかり
私は同世代の子に比べて自分の気持ちに気付くのにとても時間がかかった
原田さんにも、「いくらお前に積極的になっても気付いてくれなかった」と言われたのを覚えている
でも、こうして原田さんへの気持ちを知ったとき、嬉しい半面切なさという感情も知った
今も、原田さんが島原へ行ってしまったことに対して胸がチクチクと痛みだす
所謂………嫉妬………
島原には、私より綺麗な人がたくさんいる
原田さんを信じていないわけではないけれど、不安になるのは紛れもない事実……
『早く帰ってきてください……』
思わず呟いた、誰にも聞こえない独り言…
のはずだったのに……
「最初からそう言えよな」