世界一初恋

□貸し出しカード
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図書室は学校の最上階にある。

期末試験最終日、午前中で学校は終わり、テストから解放された同級生達はホームルームが終わると同時に勢いよく校舎から出て行った。

先ほど楽しげに繰り広げられていた会話によると、この後はカラオケにボーリングで一日中遊び通すらしい。

明日は土曜日だし、わずらわしいテストも終了。
だとすれば、それが普通の高校生の姿だろう。
受験生にだって息抜きくらいは必要だ、

それに比べ…浮き足立った彼らとはとひどく対照的な自分の行動に苦笑する。

俺が足を向ける場所はいつもと同じ図書室。


テスト週間も終わった今、そんな場所に来る生徒は誰もいない。

予想通り室内に先客はおらず、冷房の鈍い機械音と自分の足音だけが響く。
適当に本を見繕ってからいつもの定席に腰掛けると、一人であることに気が緩んだのか、ついぽつりと名前が零れてしまった。

『律』、と。


なんで律がここにいないんだろう。

なんで俺は一人でいるんだろう。
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