夜空に消えた光・譲れない想い

□夜空に拡がる星空の中…
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「あ、そういやさ。結局、紫たちはどうしたんだろうな」
「本当にそういえばね…」

 ちょうど間欠泉地下センターの中間辺りに差し掛かった頃、私はふと心の奥底に仕舞い込んでいた疑問を投げかけてみる。

「だって、気になるだろ? 霊夢はあんな風に言い切ったけど、本当は霊夢も向かわなきゃいけない事態だったんじゃないかな」
「……紫たちが一目散に帰って行ったのはやっぱり異変だってこと?」
「それもあの悪魔の仲間関係の…な」
「でも、仮にそうだとしたら何で霊夢は連れて行かなかったのかしら?」
「そこだよな〜。毎回毎回紫が何を考えてるのかさっぱりだぜ」

 今回の異変後、その紫からはいろいろと説明を受けた。敵は内部からではなく外部からここへ出入りしているという事と、敵は単独ではなく組織として動いているというのが主な内容だった。
 まあ、今回の異変の発端となった胸くそ悪い悪魔(ゼクス)も今後の対応のためちょこちょこと話してはいたが、まだそれだけなのだ。異変を起こした敵が内部からでなく外部の奴と判断した時点で異変解決組の霊夢を抜くようなのんびりした事はできない。早くその組織のアジトや何らかを見つけないと今回みたいにまた取り返しの付かない事になる。

(それとも本当は異変じゃないのか? うーん、やっぱ分からないぜ…)

「まあ、紫の事だから何かしら考えているって割り切るしかないわ。分からない事をいつまでも考えても仕方ないわよ」
「はぁ……それもそうだな。あー、そういえば忘れてたぜ。あの時、魔力を貸してくれてありがとな。人形から魔力を送ったホント器用なやつ」
「今更ね。まあ、役に立ったようで良かったわ」

 そんなこんなな話をしていると上空から風の流れを感じてきた。どうやら間欠泉地下センターは抜けたようだ。
 見上げると夜空が見えてきて、星空が……

(……あれ?)

「……そういえば…さ」
「またそういえばね。まあ、今度のそういえばは私も気になってたんだけど…」
「だよな…」


 アレって……いつから出てないんだぜ…。

 
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