夜空に消えた光・譲れない想い

□夜空に拡がる星空の中…
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「「……」」


 えーっと……今、俺含め、チルノ、大ちゃん、ルーミア、ミスティア、リグル、キスメの七人は、お燐の猫車で少し狭い思いをしつつ地上まで送ってもらっています。ちなみにキスメは最後まで付き添いたいからとのこと。
 間欠泉地下センターではなく猫車を選んだ理由として、今後遊びに行くための再確認で旧都全体を見渡しておきたいから。
キスメという友達ができた以上、遊びにいかないわけにもいきませんしね。運ぶ事に関してもお燐が快く了承してくれました。

 まあ、狭いは狭いで良いんですよ。七人も居れば、流石に窮屈にもなりますからね。

 ……でもさ、

(何で俺はチルノを膝に乗せて座らないといけないんだぁ!?)

 猫車の座るスペースが六人分しかないからってこれはないだろ! 只さえ、チルノの顔も見れない状態は続いているのに…。

「優也さん、いい加減慣れましたか?」
「普通に慣れません! 大妖精さん、交代してください!」
「ダーメーです。後、その言い方はチルノちゃんに失礼です」
「……」モジモジ
「うっ……ご、ゴメン…」

 全員の座り位置を決めた張本人(大ちゃん)に交代の要請をするが、当然のようにそれを却下される。

「じゃ、じゃあ━━」
「みんなに聞いても一緒です」
「ち、違うよ。この中の誰かが飛んで━━」
「いくらなんでも図々しいですよ。多数決で決まったんですし、そこはちゃんと守ってください」
「「「そうだそうだ(なのかー)!」」」
「みんなが我慢してるのに失礼…」
「何なんだよそれーーっ!!」

 結局、全員に却下され、俺とチルノは地上に着くまでこの体制を余儀なくされる。チルノもチルノで俺の膝なんかに座るのは嫌だろうな…。

「あ、あの……ユーヤ…」
「え、あ……ど、どうしたの?」

 ちょうどそのチルノが話しかけてきたので、俺は少し緊張気味になって聞いてみる。

「お、重く…ない?」
「だっ……大丈夫…」
「な、何か嫌な事があったら言ってね…」
「ほ、本当に━━」
「そういえばさ、チルノの羽が優也に当たってない?」

 隣に座ってるリグルが、チルノの羽を指差し指摘してきた。確かに氷の先端部分が当たっている…。

「ま、まあ、羽は当たってるけど、そこまで気にはならないから大丈夫だよ」
「……」

 この指摘の後、どういうわけかチルノは体を動かす。その視線の矛先は……俺ぇ!?

「なっ!? いっ、いいいいきなりどうしたんだ!?」
「だ、だって、羽がユーヤの邪魔になるし…」

 さっきまではチルノの真後ろのリボンが見えていたが、今はチルノの顔を真正面で見る形となっていた!

「だっ、だだだから、俺は気にしないって!!」
「あ、あたいが気にするのっ!」
「い、いや、でも━━」



ガッコン!!



「「!?」」

 ちょうど言い争いをしてた時、猫車が何かに乗り上げたのか大きく揺れた。

「いやー、悪いね。ちょっと小石に……」

 その際、チルノが前に倒れ込んでしまい、顔が俺の胸に……って、ちょっとおおお!?

「なっ…あっ…」
「あっ…あぅぅ…」

「ああ、やっぱりイチャイチャしてるわけだね」

 お燐が最悪なタイミングで石に乗り上げたからですよおおお!!

「少し前はもっとイチャイチャしてたんですけどね。二人が気づいてないだけで」
「添い寝とかお姫様だっことか、後、ご飯粒ヒョイとかね」
「こんなのまだまだ良い方だよね」
「いちゃいちゃなのかー」
「そこまで酷かったんだ…」

 大ちゃんたちも何言ってるのぉ!? ミスティアもミスティアで恥ずかしい例を持ってくるなぁ!! 今更になって恥ずかしいって思ってるんだからぁ!!

(うぅぅ……あの時の俺何やってたんだよぅ…)

 ていうか、俺も俺だ!! 昨日のキス以降、何でこんなに動揺してるんだよ!! チルノは親友のはずなのに……何で胸がこんな━━

「ゆ、ユーヤの胸……凄いドキドキって言ってる…。
 うるさいくらいだけど何か心地よくて……ずっとこうしていたい…」
「っ!?」





ボオォォォン!




 
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