夜空に消えた光・譲れない想い

□流した涙の意味…
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「そ・れ・で、そこんとこどうなんですか? あの外来人のご関係は?」
「べ、別にユーヤとはまだそんな関係じゃない! というか帰れよ!」


 毎度お馴染み、清く正しく射命丸文で〜す。前回の異変の後、霊夢さんにボッコボコにされた射命丸文で〜す。
 はい。いや〜、あの後、ホンットーに大変でしたよ。霊夢さんから頂いた愛(弾幕)が尾を引いて、文々。新聞を三日ほど休んじゃいましたしね。何より不意に敵に情報を送ってしまった事で、私の清く正しいという面目がなくなってしまいました。グスン…。
 でも、私はめげません。一からのスタートになると思いますが、私の好印象を再結晶すべく行動力で証明してみせます。スタートダッシュは誰にも負けません。何処ぞの折り畳みカメラテール(携帯+ツインテール)なんかに負けるもんかぁ!

(え? 元々清く正しくなんかない? またまた〜、ご冗談がお得意ですね〜♪)

 さて、長い前置きはここまでにしておきましょう。今現在、私は氷精のチルノさん宅(かまくら)にて取材を敢行しています。取材内容はもちろん、今注目の外来人赤池優也さんとのご関係です。前回、二人が付き合ってる風に記事を書きましたが、実際の所は何処まで進んでいるんでしょう。私の想像通りなのか、もしくは片想いか両想いの類なのか。これまでタイミングが合いませんでしたが、今晩、ようやくチルノさんの口からその真相が語られそうに至ります。強引に取材に踏み込んだ甲斐もありました。

「ん〜〜……しかし、私は外来人とは申しましたが、優也さんとは一言も言ってないんですけどね〜?」
「あっ!」
「それにまだとはなんですか? まだとは〜?」
「〜〜!!」

 そろそろボロが出そうですかね。私はニヤニヤしながらチルノさんを更に詰め寄る。

「それでそれで、現在のご関係はどうなんですか〜?」
「だ、だから…」
「もしかしてもしかするとキスするご関係になってたりとか? あやややや〜♪」
「え……あ…」

 チルノさんは顔を真っ赤に染め、手をもじもじさせてはどう答えるべきか迷ってる。これがギャップというものか。いつもやんちゃでわんぱくなイメージしかないチルノさんがこんな乙女の表情をするとは…。

「うふふ〜ん、優也さんにはそんな可愛らしい顔を毎回━━」

「う、うるさーーい!! もう帰れーーっ!!」
 氷符『アイシクルフォール』



ドォオオオン!!



「うおぉっと! まったく、手荒いですね〜」

 チルノさんがスペカを発動したので瞬時に外へ逃げ出す。本当はその場で対応に応じても良かったが、かまくらという狭い場所だったので流石にかわしにくい。

「うわあああああっ!!」

 それに所詮はかまくらだ。スペカなんかやったら崩れる。中に居たチルノさんの悲鳴がこっちまで響いた。

「まあ、今回はこれくらいにしておきましょうか。私とて充分な収穫ですからね♪」

 メモ帳を取り出し、「チルノさんは優也さんに片想い中。現在、キスまで行使した模様♪」と走り書いて、私は原型を無くしたかまくらを後にした。

 
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