動き始める時・伝染する負の感情

□ラッキーカラーは緑?
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 チルノたちの案内から三日、俺が幻想入りしてから五日目を数えていた。

 人里の生活にはかなり慣れてきたと思う。何処に何があるのか覚え、普通に有効活用できている。人付き合いの方も良好。最初注目されてたのが、今では少なくなった気がする。積極的に話しかけてるためか、人里内で俺を知る人が増えてるようだ。買い物に行く途中、通り過ぎた人から移り住んだ祝いにと果物や和菓子を貰ったりしたのも昨日の出来事…。

 とまあ、いろんな意味で慣れしたし始めている俺だが、生活する上で一番欠かせない事はまだ決まっていなかった。それは仕事。案内が終了して次の日には既に働ける場所がないかと探し込んでいたが、これがなかなか見つからない。あちこちで聞き込んでいるが、「雇う余裕がない」がほとんどだった。


「そろそろ見つけないとなー…」

 周囲の歴史感じる建設物を見渡しながら呟く。
 仕事探しは今日で三日目。所持金が底を付いたというわけじゃないが、この状態が続けばだんだんと厳しくなる。そうなる前に早く探さないと…。

「ん?」

 俺の足に何かが引っかかる感覚を覚える。見ると、捨てられた新聞だった。風によってここまで飛ばされたらしい。

「ラッキーカラーは緑…」

 そんなグチャグチャの新聞の中で、運よく?目に入ったのが今日の占い。今日の出来事が細々と書かれていてラッキーカラーが緑だった。

「「緑を見たら即行動。上手くいかない事も上手くいくでしょう」…か」

 割と占いを信じる方だったりするので、俺は思わず周囲に緑色がないか探す。そこまで切羽詰ってるわけじゃないけど、俺の仕事をその色で決めてもらおう。
 まあ、そんなすぐ見つかるとは思わないけ━━

「あった」

 偶然にもすぐに見つけてしまった。かなり拍子抜けだったが、俺にとってはありがたい。それにちゃんとした店でもある。


「いらっしゃーいっ!!」


「八百屋か。そういや、ここは聞き込んでなかったな」

 元気の良い挨拶、箱に詰まれている野菜や果実……元居た世界と全く変わらない光景。親近からか同時に安心感も得た。緑はキャベツやレタスなどの代表的な野菜だ。

「とりあえずはここからだな」

 一応、最初に聞き込む所は決まったので、俺は意を決してその人に話しかけた…。




 
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