動き始める時・伝染する負の感情
□立ち向かう者達
1ページ/5ページ
「よっしゃあ! 霊夢の所に行くぜぇー!!」
俺たちは魔理沙の案内の元、博麗神社に向かって飛行中だ。上からの幻想郷の景色を眺めながら、俺はしっかりと魔理沙の腰に掴まっている。
「ところで何で博麗なの?」
「だって、一番安全だろ♪」
「そ、そーなのかー…?」
まあ、霊夢が居るっていうのが最大の理由だな…。
「そういえば、あの新聞見たか? [突如、現れた花火]とか書かれて、おまけに怪奇扱いだぜ! 酷いだろ!?」
「あは、あはは…」
魔理沙は憤慨しながら言う。
あの新聞ね。確かに魔理沙のも充分酷いと思うけど…。
「こっちも魔理沙以上に酷いよ。勝手にチルノが了解したって書いてあったしな…」
「え、えっと……何の事?」
「あっ、悪い。チルノは朝にいろいろ遭ったから知らないよな。今朝の新聞で、告白了解みたいな記事が書かれてあってさ」
「だ、誰と誰?」
「俺とチルノ。で、チルノが俺の告白了解って感じ」
「な……何でいきなりそうなってんの!?」
俺がこう言うと、チルノは真っ赤になりながら詰め寄ってくる。
「いや、ほら……昨日の嫉妬大会あったろ。それをあの実況の鴉天狗が━━」
「いいいつあたいに告白したのよ!!」
「い、いや、大会のを捏造されて━━」
「あああたいたち、もう付き合う事になってんの!?」
「うおい!? あの大会自体、遊びみたいなもんだから大丈夫だって! だから、そんな事は気にしなくても良いよ!」
ここまで言って、やっとチルノは大人しくなった。
と思いきや、なぜか不貞腐れたかのように頬を膨らませ、ゴニョゴニョと呟いてる…。
「そんな事って……あたいにとっては…」
「え? 何?」
「ふえ!? にゃ、なんでもない!! 」
それを聞こうとしたが誤魔化された。一体、何だったんだろう?
「はぁ…」
そして、話を聞いていた魔理沙が、呆れた表情でため息を吐いてる…。
「俺、何かした?」
「気づけよ。もうホンットに呆れるぜ…」