動き始める時・伝染する負の感情

□鬼ごっこ?
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 チルノの案内により、魔法の森を抜けた先にある湖「霧の湖」に辿り着いた。

 チルノ曰く、対外はここで大ちゃんや友達たちと遊んでるそうだ。また、俺とチルノが初めて会った場所でもある。

「あの時のチルノは、話も聞かずに攻撃してきたっけ? まだ一週間ちょっと前なのに懐かしくも感じるなー」
「も、もうそれは良いじゃん! 後にちゃんと謝ったんだから!」
「あはは、悪い悪い」

 ちょうど、チルノに平謝りしてる時、

「チルノちゃ〜ん。優也さ〜ん」

 どこからか、大ちゃんの呼ぶ声(分かりやすい)が聞こえた。何処に居るのか周囲を見渡すと、俺たちから見て、右側の少し行った所で大ちゃんが手を振っていた。他にも三人の友達が居るのが見える。

「あっ、大ちゃんたちだ!」
「よし、行こうぜ」
「うん!」

 それを確認した後、小走りで大ちゃんたちの元へ向かう。大ちゃんは会えたんだと安心したような笑顔を浮かべていた。

「やっと、優也さんが家に居たんだね」
「むぅ、違うよ。今日も留守でたまたま会ったんだ。まーた、むだあしになるとこだった」
「あっ、そうなんだ」
「だから、悪かったって言ったろー」
「お返しだよ。べー」
「ふふっ」

「へえ、この人が例の外来人なんだ」

 俺たちが話してる様子を見て、友達三人の内、一人が興味深そうに聞いてきた。緑髪で頭から二本の触角?が生えた、マントを付けてる”男の子”だ。

「うん、赤池優也さん。とても優しい人だよ」
「別に優しくは……まあ、赤池優也。よろしくな」

 大ちゃんに紹介されて、とりあえず便乗するように俺は挨拶をした。三人もそれぞれ返してくれた。

「私はリグル・ナイトバグだよ」
「私はミスティア・ローレライ。TNTN」
「ルーミアなのかー。そーなのかー」

 最初に聞いてきた男の子がリグル。何やらいかがわしい発言をした、ピンクの髪に背中から翼が生えてる女の子がミスティア。元気の良い挨拶を?した、金髪でリボンを付けてる女の子がルーミア。
 三人ともチルノや大ちゃんと同じくらい幼かったが、妖精とは種族が違うように見えた。多分、妖怪辺りじゃないかな?

「ん、あれ? ルーミアって……確か妖怪の」
「チルノと大ちゃんから聞いたのだー。団子代、払ってくれてありがとなのかー♪」

 ペコリと頭を下げてお礼を言う。正直、あそこまで食べた妖怪を想像するのは少し怖かったけど、予想に反し可愛らしい妖怪だったので安心した。人間のようにお礼する辺り、とても良い妖怪なんだと思う。

「これからは騙されないようにな、ルーミア」
「分かったのかーぁむっ」
「!?」

 こう言った後、何を思ったのか、ルーミアは口を大きく(口裂人間もびっくりするくらい?)開け、俺の右手にかぶりついた。手には絞られる感覚を覚える。

「じゅるるる…」
「な、何やって━━」
「ルーミア、何やってんのよ!」

 この光景を見たチルノは、怒ってルーミアを体を引っ張る。だが、なかなか放してくれなかったので、引っ張るのと同時に手も…!

「いたたたた!」
「もう! 放しなさいよ、ルーミア!」
「ふがふが…」



「実はアレ、舐めてるだけで、しばらくしたら放すんだよね…」
「友達ができた時に、ルーミアがついやる行動だっけ? 阿求の時にもやってた記憶がある」
「みすちーにしては良く覚えてたね…」
「鳥頭って言いたいの!? それを覚えてなくて、放そうしてるチルノよりは……って、大ちゃんはどうしたの? そんなにニコニコして?」
「何でもなーい♪」


 
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