動き始める時・伝染する負の感情

□宴会に誘いなさい
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「チルノちゃん、本当に行かないの?」
「……うん」

 今、あたいの家(かまくら)、大ちゃんが何回かこう聞いてるのを「うん」って返してる。

「め、珍しいなー。チルノちゃんが宴会に行かないなんてー…」
「……」

 今日、宴会があるって言って来てるけど、あたいは行かないつもりだ。普段のあたいだったら行ってたかもだけど…。

「やっぱ、アレが響いたのかな…」
「色を言われるのはともかく、見られても気にしないチルノだったけどね…」
「そーなのだー。優也なのだー…」 

「ひそひそ言ってても聞こえてるもん!!」

 ちなみに残りの三人(リグル・ミスティア・ルーミア)も家に居る。ひそひその内容で、あたいはつい大声を出しちゃう。実際にユーヤの事があって行けないから、当てられた事にちょっとムカッてきた。

「まあまあ……とにかく家に居るんだね?」
「うん、そうなる…」

 ムスッとしたまま大ちゃんに答える。家以外にあたいがどこに居ると言うんだろう。

「分かった。じゃあ、四人で行くね」
「……」

 四人は立ち上がり、家の出る所まで…。

「昼食と夕食は置いてあるよね?」
「うん…」
「まったく、さっさと優也に会って許してあげたら良いのに。バカみたいに強情っぱりね」
「みすちーに言われたくないもん…」
「はいはい。でも、その人形には許してるのね」
「なっ……こ、これは違うもん!」

 ユーヤのゆっくり人形を指摘され、あたいはそれを胸に引き寄せてから言い返す。こんなの関係ないと、体を張って隠したつもりだった。

「あっ、許してる」
「抱きしめてるのかー」
「ちちち違う! 違うもん!!」

 けど、何か勘違いされた。あたいは隠してるだけって何で分かんないの!

「チルノちゃん。悪いけど説得力が…」
「優也にもこのくらいしてあげれば良いのにねー」
「は、早く行けー!!」

 あたいはまた声を張り上げていた…。

 
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