動き始める時・伝染する負の感情
□嫉妬大会 〜主役?
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「チルノ。お前に話したい事があるんだ」
「う…うん」
「俺たちが最初に会った時の事、覚えてるか?」
「うん…」
最初……あたいが襲いかかった時だ。忘れるはずない。
「いきなり弾幕を放ってきたよなー。まだ幻想郷に来たばかりだったし、ホントに驚いたよー」
ユーヤは笑いながら言ってるけど……怒ってるのかな…。
「道案内の最中も迷うし、支離滅裂な事も言うし……俺的にはバカで何も考えてない、変な妖精としか思っていなかった」
「……」
そう思ってたんだ。でも、そう思うのは、仕方ない事だよ。あたい、そんな良い子じゃ━━
「でもさ、俺が落ち込んでた時、慰めてくれた事があったろ。あの時さ、本当にどうして良いか分からなかったんだ。もう元の世界には戻れないし、頼れる人もいないって考えてたから…。
でも、お前が一人じゃないって気づかせてくれた……本当に嬉しかった」
「ゆ、ユーヤ…」
「思えば、あの時からかな? お前と一緒にいたいって思ったの…」
ユーヤは一呼吸つけて……言った。
「チルノ。お前の事が好きだ…」
「……!」
(は……反則だよユーヤ…)
ホントじゃないのに……ホントじゃないのに、ホントに聞こえちゃうよ…。
あたいは……これを「うん」で済まして良いの? ユーヤはホントじゃないかもしれないけど、あたいはホントにユーヤが好きって事を伝えたい…。
だから……そう考えたあたいは、こんな事を口に出していた…。
「好きなら……キス…して」