動き始める時・伝染する負の感情
□大会&宴会終了
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「ったく、そういう事かよ。そうならそうと早く言えぜ」
「あなたが早とちりしたのがいけないんでしょ…」
声をかけてきたのは魔理沙で、その隣にいるのはアリスっていう女の子だ。
魔理沙は俺たちが抱きしめてる所を見て、やっぱり誤解したようだったが、俺が一から説明してどうにか理解してもらえた。
「で、アレは無駄に終わったのか…」
「え?」
ただ、俺が「あの言葉(キス)は、無理に言わせてしまった」の部分になると、どこか呆れたような表情になった。
「普通は気づくだろー…」
「私も大体は分かったのに…」
「うん…」
何の事だろ? だって、俺が言わせちゃったのがいけないわけだし…。
「まあ……罰ゲームの方、一緒に向おうぜ…」
「分かったけど、頭を抱えてどうした?」
「はぁ……何でもないぜ…」
「?」
とりあえず、二人も罰ゲームらしいので、俺たちは一緒に向う事となった…。
「私たちは「特技」で、自分の特技をやれってさ。私はマスタースパークを空に放って花火に、ここに居るアリスは人形数体を自由自在に操ったぜ。私の花火に拍手なんかもしてたな。
まあ、84点でレミリアたちには後1点だけ足りなかったんけどな」
途中、俺たちの次だった魔理沙組は、大会でどうだったか話してくれた。
しかし、魔理沙も凄いが、このアリスさんも凄いな。人形関連で思い浮かぶのは、あの人だけだと思ってたけど…。
「そういえば、自己紹介してなかったわね。
私はアリス・マーガトロイド、魔法使いよ。下の名前は間違えやすいからアリスで良いわ。さん付けもいらないから」
そんなアリスさ…じゃなくてアリスは、俺に対して自己紹介をしてきた。魔理沙と同じ金髪の女の子で、同じように魔法使い。性格はこっちの方が落ち着いていて、おしとやかって感じだ。
その両肩には、二体の人形が規則正しく座っている。
「後、この子たちは私が作った人形。あなたから見て、右は上海(しゃんはい)、左は蓬莱(ほうらい)よ」
「シャンハーイ」
「ホーライ」
「お、おお…」
凄いな……しゃべったし、挨拶するみたいに頷いたぞ。そして、何より、アリスが動かしたという動作がまるでない。本当に生きてるみたいだ。
特技に使ったのが、これだけでも充分分かる。
「あっ、俺は━━」
「赤池優也、外来人。魔理沙から聞いたわ」
既にしゃべってるか。まあ、魔理沙だしな。
「ちなみにどんな事を?」
「そうねえ……バカだけど、肝心なとこでは頭が良いとか。鈍感だとか…」
「思うんだが、鈍感って何が鈍感なんだ?」
「じゃあ、チルノの事をどう思ってる?」
魔理沙が割り込んで聞いてきた。
「どうって……普通に親友だけど? てか、それ以外に何かあるのか?」
「……ユーヤの…」
「ん?」
「ユーヤのバカ!! 鈍感!! H!!」
「んなっ!?」
な、何でそこまで言うのチルノ!? 親友じゃなかったっけ!?
「じゃ、じゃあ……友達?」
「もっとバカァ!!」
「ええぇぇ!?」
「だろ? 鈍感だって」
「今日の事で良く分かってるわよ…」