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「彼女は音無春奈。雷門中の新聞部の子で一年生よ。」
「よろしくお願いします!!林葉先輩!」
『うん!よろしくね!』
青髪の彼女はどうやら雷門中の子で秋ちゃんの知り合いだったらしく説明を受けた。
『あ…名前なんだけど、下の名前で呼んで全然いいよ!』
「はい!ありがとうございますかのん先輩!先輩この前の試合、とってもかっこよかったですね!」
『どうしよう…秋ちゃん。この子を持ち帰りたい。』
「お願い帰って来て私の知ってるかのんちゃん。」
春奈ちゃんにくっついていると秋ちゃんに心配されてしまった。
***
「じゃあもうそろそろお開きにする?」
町を照らす光がオレンジになった頃。秋ちゃんがそう言った。
あの後は春奈ちゃんを加え三人で町を巡った。
『うーん…そうだねー。もうそろそろ帰んないと。』
「そうですねー。」
春奈ちゃんと秋ちゃんと別れるのは名残惜しいけど、時間も時間だし、帰らないと兄さん達に心配される。
『帰りましょっか!』
***
秋ちゃんの家に向かう帰り道の途中に私の家はある。
「じゃあまたね、かのんちゃん。」
「かのん先輩さようならー!」
『秋ちゃんまた明日ー!春奈ちゃんまた会えるといいなぁー。じゃあね!』
手を振る二人を玄関先で見送る。
『………ん?』
あれ?
夕日に照らされた春奈ちゃんの顔が誰かに似てる様な気がした。
***
(秋先輩、今日はせっかくの予定邪魔しちゃってごめんなさい。)
(いいのよ、かのんちゃんも喜んでいたし。)
(かのん先輩かぁ…明日驚くでしょうね!)
(そうねー。…あ、音無さん。はい、これ。)
(あ、ありがとうございます。…リストバンド?)
(今日私とかのんちゃんが買ったものとお揃いなの。もちろん、かのんちゃんにはばれない様に買ったわ。)
(いいんですか?うわぁ!本当にありがとうございます!)
(いいのよ、新しい仲間が増えるお祝いなんだから。)
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