狩の女神
□バブ2
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『ん――』
よく寝た。今あたしは屋上にいる。まぁ、詳しく言うと給水タンクの上だ。
『世界旅行かぁ…』
あたしは昨晩のことを思い出す。
「竜華ちゃん」
『何?母さん』
「私たちね、旅行に行くことにしたの」
『ふーん、どこに?』
「あら、冷たい反応ね…まぁいいわ。行くのは世界中よ!」
少し興奮したように言う母さんの隣で、父さんがニコニコと笑っている。
『世界中って…どういうこと!?』
「世界旅行に行くんだ。楽しみだなハニー∨ν」
「そうねぇ、ダーリン∨ν」
いつも突拍子のないことを言うが、いくらなんでも……出発前日に言うなよ!!
そんなあたしの心の叫びも虚しく、両親は今朝早くに空へと飛び立った。
「「「あ―っはっはっはっはっ」」」
「「ーーって誰だ――っ!!」」
てか下がかなりうるさい。
*****
『ん―…すごいこと聞いたなぁ』
あの赤ちゃん、悪魔だったんだ……
『とりあえず…葵に報告か』
プルルルルル ピッ
“もしもし、竜華?”
『もしもし―。石矢魔に子連れ番長が現れた』
“はぁ!?どういu『以上。報告おわりっ!』ちょっ…待ちn”ピッ
『今日はもう帰ろう』
特にすることもないしね。
正面玄関を出て校門へと向かう。
ガシャ――ン!!
『ん?』
大きな音がしたから上を向くと
『あれって…てか、こっちに落ちてきてない……?』
ガッ!
あたしは条件反射でそれを蹴り飛ばした。
「ぎゃぁ!?人がとんできたぞ!!」
「ゲッ、神埼じゃね―か」
「大変だ!!救急車よべ――っ!!」
『やっぱり神埼だ。こんなことできんのは…さっきの話からして男鹿だな』
神埼がやられた。これから石矢魔は荒れるな。