紅の風
□紅の風
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あたしは今、万事屋の前にいる。この間のお礼ということで、近藤さんがお菓子の詰め合わせを持っていけって言ったから。
ピンポーン
……………
ガラッ
暫くして戸が開くと、銀時がいた。
銀「どちら様?」
やっぱり覚えてないか……まっ、あたしが皆の記憶を消したんだけどな。
『……真選組の者でーす。今日はこれを渡しにきました』
あたしは銀時にお菓子の詰め合わせを渡した。
銀時は驚いていた。
銀「Σ…!くれるのか!?」
『うん』
銀「ありがとな」
『じゃ、あたしはこれで』
あたしは帰ろうとした、が…
銀「今日まだ時間あるか?」
銀時があたしの腕を掴んで聞いてきた。
『まだあるけど……それがどうかした?』
銀「……お前に手伝って欲しいことがあるんだけど」
*****
カコン
?「…いや、今までも二日三日家を空けることはあったんだがね。さすがに一週間ともなるとね…」
あたしたちはあの後も色々と言い合いをしていたが、あまりにも銀時がしつこいからあたしが折れた。
手伝って欲しいことは、万事屋にきたある依頼だった。
かなりブッサイクなおっさんの娘が、帰ってこないから探してきてほしいとのことだった。
*****
鳥「あ――?知らねーよこんな女」
あたしたちはおっさんの娘、通称ハム子がよく来ていた店にきていた。
神「この店によく遊びに来てたゆーてたヨ」
鳥「んなこと言われてもよォ嬢ちゃん」
店のマスターっぽい鳥はハム子のことを覚えていなかった。
『ちょっとトイレに行ってくるわ』
あたしは新八に一言言ってトイレに行った。