紅の風

□紅の風
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『高…杉…』



木の後ろに隠れていたのは高杉晋助だった。



晋「ククク、俺のことを知ってんのか?」



『もちろん……』



晋助も覚えてないか……



晋「てめえは幕府の犬か…」



『そうゆうこと』



チャキッ



あたしは刀を抜いた。



晋「俺とやろーってのか?クククいいぜ。かかってこいよ」



『ずいぶんと余裕じゃん』



そう言いながらあたしは高杉に斬りかかる。



キンッ ガキンッ キィン



ねぇ、晋助……もう…昔には、戻れないのかな?



ガギィィィン!!



あたしはいったん間合いをとった。


そしてある構えをした。



晋「何だァ?その構えは」



その構えとは、紅蓮華を下におろして体勢を低くしただけなんだけどね。



『(ボソッ)斬らなきゃ…ならないのかな……』


ダッ



そしてあたしと晋助は地面を蹴った。


あたしは下から斬り上げ、晋助は突きを繰り出した。



シュッ ポタッ ポタッ



血が流れたのは……



晋「クククお前、やるじゃねーか」



『貴方もね』



晋助は左腕から、瑠依は腰から血が流れていた。



晋「今日は帰るか…」



『はぁ?』



ザアッ



強い風が吹いたかと思うと、そこに晋助の姿はなかった。



『ごめん…ごめんね晋助……』


あたしは呟いた。その言葉は誰にも聞かれることなく、あたしはさっきから爆音が聞こえてくる所に向かった。
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