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□Episode03
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屯所に帰ったサクラ達を迎えたのは焦った様子の隊士だった。



「局長、松平公が来られてます!!」



そう少し息を切らした様子で伝えられた。

ここ最近忙しいらしく屯所に来ることがなかった松平の突然の訪問に土方は眉をひそめ、山崎は首を傾げた。
近藤は待たした事で松平が銃を射てくるかもと冷や汗を流した。
沖田はそんな事に耳を貸さずサクラの桃色の髪に指を絡めて遊んでいた。




『松平のおじ様が来られてるの?!
なら、着物の御礼を言わないと。』


「それが、松平公がサクラさんは部屋に戻られるように、と。」


『そっか……お仕事の話なのね、仕方ないね。
じゃあ、私はお部屋に行くね。
あ、おじ様に"綺麗な着物ありがとうございました。"って伝えてくれる?』


「わかりやした、伝えておきやす。」


『うん、よろしく。
じゃあ、お仕事頑張ってね。』




ひらひらと手をふってからサクラは部屋に戻って行った。
それを見届けてから土方は隊士に質問した。




「とっつぁんは何しに来たんだ?」


「さあ、よく分かりませんけど女の子と一緒でしたよ。」


「オンナだァ?なんでまた……。」


「取り敢えず、応接室までお願いします。
松平公が銃を乱射される前に。」




ペコリとお辞儀をしてから隊士はどこかへ走って行った。
少し顔を青くした土方等は、小走りで応接室まで向かった。





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