ILY 日常篇

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いい加減にしろ、アオイちゃんをいじめるな。(近藤)

いい加減にしろ、アオイを責めて楽しいか?(土方)

いい加減にしろィ、俺のアオイさんを傷付けるな。(沖田)

いい加減にしなよ、アオイさんに手を出すな。(山崎)

ーーーいい加減にしろやッッ!!(隊士)





土方side


朝の会議、俺の隣にいるアオイは、
ただただ前を向くだけで、
その表情を変えない。


新隊士たちが、
アオイを見てニヤニヤしたり、
アオイを睨みつけたり、
それを見て俺はイライラする。

ただ、それを受ける張本人が何も言わないのだから、
俺たちも手を出せない。

今手を出せば、
アオイは守られないと生きていけない。
と言われるだろうから。



話し合うとされて居た内容が終わり、
俺がテメェらから何かあるか?と聞いたら、
新隊士の中で、この反乱の中でリーダーを張っている男が手を上げた。

嫌な予感しかないから当てるのに躊躇していたら、
隣に座るアオイが当ててやれと言う。
当ててやれば、



「俺いい加減腹が立つんですよ。
工藤医療隊長に。」



その一言に、新隊士とアオイ、近藤さん以外が、
刀に手をかけ、片膝を立てた。
もちろん俺も。



『やめろ』



アオイの言葉で渋々刀から手をはなし、
元の体勢に戻す。



「そういうところもですよ。
工藤医療隊長の言う事はぜーんぶ聞いて。

元攘夷志士って言うのも納得できない。
かつての仲間だからって、仕事舐めてるんスか?

どうせ、局長や副長に気に入られたのも、
身体でも売ったんじゃないスか?」



そう言い終わった瞬間、
アオイの姿が隣から消え、
発言した男の喉元に刀を当てていた。

ヒッと声をあげる男をアオイは冷たい目で見て、
冷たい声で口を開いた。



『私をいくら貶そうが構わない。
ただ、局長らを貶すのなら話は別だ。
ーーーー殺すぞ。』



初めて見た者も多いだろうアオイのその姿。

総悟に関しては目がハートなのだが、
見なかった事にしよう。



『局長たちが、人を身体で買うような人だと思うか?
そう思っているのならーー死ねや。』



ガタガタと震える男を見て、
こいつは馬鹿だとそれだけを思った。


かつて攘夷戦争で名を轟かせた、
反乱の貴公子、桂小太郎
最も危険な男、高杉晋助
その他にも強者が揃った中で、
最強で最恐と口々にあげられるのが、

【死女神(シニメガミ)】工藤アオイなのだから。






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