黒バス

□入学式
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真新しい白い制服に身を包んだ
まだ幼い男女が、一方向を向いて座っていた



今日は私立帝光中学校の入学式である



校長の挨拶を始めとし、在校生代表の挨拶。
そして、新入生代表の挨拶



「―――――新入生代表、赤司征十郎」



「――はい」


赤司と呼ばれた少年は

凛とした表情で登壇していき


落ち着いた声色で挨拶を済ませた




―――――――――
――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――




ざわざわとざわめく教室


同じ小学校出身の人たちで固まっているようで


すでにいくつかのグループにわかれていた



運悪く同じ小学校出身の人が
一人も居らず、誰か他に1人の人は居ないかと

青く長い髪を揺らしながら

辺りをキョロキョロと見回している

一人の小さな少女がいた


少女の視線の先に一人の少女が映った


少女は静かに本を読んでいて
誰とも話などしていなかった


読書の邪魔をするのはどうかと考えたが

一人でいるよりマシだと思い

読書をしている少女の元へ足を進めた



――――――――――――
――――――――――


少女は一人、本を読んでいた



「あ、あの!私!青峰紗希っていうの!貴女の名前は?」


前方から聞こえた声に文字の羅列から目をずらす

青く長い髪をした小さな少女がそこにいた


なぜ自分に話しかけているのだろうと疑問に思いつつも

自分の名を口にした



「…白川澪。よろしく」


「澪ちゃん!って呼んでもいい?」


「好きに呼んでいいよ。」


少し素っ気なさを感じられる返答だと自分でも思うが


若干人見知りである澪には
この返事が限界であった

しかし青峰紗希と名乗った少女は然程気にしていないようだった


「私の事は紗希って呼んでね!澪ちゃん!」


「うん、よろしく。紗希」



照れくさそうに笑みを浮かべながら


紗希、と少女の名を呟く澪に


嬉しさと目の前にいる少女の可愛さにより


さまざまな感情が溢れてきて


零れるような太陽を思わせる笑顔を浮かべて


力強く頷いた







END
 

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