SUMMER WARS!
□Ready?
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『あーーーっ!!楽しかった♪』
パソコンを閉じ、百香はとても上機嫌になっていた。
先ほどまで自身のアバター、モンナのライブをやっていたからだ。
『お客さんもたくさん来ててすごく感動しちゃった!
それにね、圭吾。何とまた…「うるさい」・・・』
『最後まで聞いてくれたっていいじゃん…』
私の弟、圭吾。
すごく仲が悪い。
昨日なんて、キャンディーの取り合いで大ゲンカしたし。
まあ、あたしが勝ったんだけどね。
だけど、いいところもあるんだよ?
あたしがOZの歌姫って呼ばれてる、モンナだってこと黙っててくれてるし、圭吾しか知らないし。
ぶっきらぼうだけど、根は…
「暑い。アイス買ってきて」
…前言撤回。
すっごく悪いやつ!!
『自分で行ってよ』
「ふーん。じゃあ、言っていいんだね?
みんなー!!百香は実は『ごめんなさいただちに買ってきます!!』
パーカーを羽織り、近くのコンビニへ向かう。
外に出ると、星がきれいに輝いていた。
『…明日も晴れるな』
それを新曲にできないかと考えていると、いつの間にかコンビニが目の前にあった。
頼まれたアイスと大好物のキャンディーをかごに入れ、会計を済ませる。
すると、聞き覚えのある声が私を呼んだ。
「よおっ!百香ちゃんじゃねぇか!」
『…万助さん!!』
万助さんは圭吾に少林寺拳法を教えてくれているおじさんだ。
よく家にイカをおすそ分けしてくれている。
私はイカ大好きだし、よく圭吾についていってるから、仲がいいのだ。
しばらく話していた時、
「ところで百香ちゃんは何しに来たんだ?」
『圭吾のアイスを買いに・・・ああーー!!
すみません万助さん、アイスが溶けるのでそろそろ失礼します!!』
「おう!またイカ持っていくからなぁ!!」
私は猛ダッシュで家に帰った。
そして、アイスは見事に溶けていましたとさ。