+ SantaClaus is coming to me! + (Minato)

□@話
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12月24日って、クリスマスイブだよね。


例えば、アカデミーの子どもたちのためにサンタの格好をする任務、とか。
クリスマスイブ、なんて意味はなくて、ただの12月24日だったり、とか。
そういう可能性も考えないワケじゃなかった。
むしろ、ありもしない可能性までも考えたけど。


一緒に過ごすことっていう台詞と、あのキスが、全ての可能性を否定する。




四代目がそういう意味で言ったんだってこと、目を見れば分かる。




クリスマスイブ、かぁ。


四代目と一緒に過ごすクリスマス。
四代目と...男の人、と。


あれっ!?
それって、え?




ぼうっと座っていたソファから転げ落ち、毎月買っている雑誌の最新刊を引っ張り出す。
そこに踊る「恋人」「彼氏」「クリスマス」「聖夜」...などの文字。


こっ恋人!?


ぺらぺらめくっていけば、クリスマスに着たい服とか行きたい場所とか。
ふたりで食べるお勧めケーキとか。




わたし、男の人とクリスマスを過ごしたことない   !!




どうしたらいいの?






取りあえず、雑誌のクリスマス特集は読破した。


わたしが用意しなくちゃいけないのは、服、プレゼント、ケーキ、料理の本。


恋人じゃないけど、もしそのつもりで誘ってくれたんだとしたら、みっともない格好ではいられない。
それに、わたしだって...その気持ちがないワケじゃないし。
キスまでされたら、期待だってしちゃうよ。


それから、クリスマスプレゼント。
仮に四代目がクリスマスを意識していたんじゃないとしても、それくらいは用意するのがマナーだよね。
四代目が好きなもの、欲しそうなもの。
それをプレゼントしたら、きっとあの太陽みたいに眩しい笑顔で「名無しさん、ありがとう」って言ってくれる。
わたしは、それが見たいから。


ケーキは言わずもがな。
あと、クリスマスに相応しいお料理を準備しなくちゃ。
そのために、料理の本を買って練習しなくちゃいけない。
料理が下手な女の子って、思われたくない。




結局、わたしって四代目のこと好き、なんだ。


だから、こんなに意識しちゃう。
よく見られたいって、女の子として見てもらいたいって、思ってる。
そのための努力なんて、全然苦じゃない。


あのキスで、そのことに気付かされた。




道を歩けば、四代目に渡すプレゼントを目が探してる。
気付けば、好物はなんだろう、とか、どんな服装が好きなんだろう、とか、四代目のことばかり考えてる。


あれから会話はしていないけれど、その姿を見かけるだけで、膝ががくがくして、脈が速くなって。
自分に向けられていなくても、彼が笑顔を浮かべれば、心臓が胸から飛び出してしまいそうになった。






一番最初に用意出来たのは、服。
派手過ぎないシンプルな白のワンピースを選んだ。
これはもう雑誌のコーデをそのまま使わせてもらった。


だって、四代目はいつも忍服だし、わたしも殆どそう。
どんな服装が好きかなんて知らないし、リサーチも出来なかったから。
殆どの男の人が好きって触れ込みの白のワンピース、そんな無難な選択しか出来なかった。




次に、料理の本『彼のための料理』。
本屋さんで目について、買わずにはいられなかった。
イベントごとに、簡単かつ料理上手と思わせる技ありレシピが掲載されているという帯に誘われた。


その本を片手に練習すること2回目。
別に、家に呼ばれているワケでも、家に呼んでるワケでもないことを思い出して、へこんだ。


それでも、万が一のことを考えて、ケーキは予約した。
無駄になれば、それまで。
予約してなければ、手に入れることが出来ないから。




予約、か。


強引なキスで、わたしから24日の予約を奪った四代目。
予約しなければ、手に入れることが出来ないって、わたしのことを思ってくれてるんだろうか。




わたし、浮かれ過ぎだよね。
まだデートなのか、そうじゃないのかも分からないのに。


それにキスの理由も。


きっと、それは当日になるまで教えてもらえないんだって、本能が分かっていた。




運命の12月24日まで、あと少し。


四代目を喜ばせてあげるには、何をプレゼントしたらいいんだろう。
最後に残った、最難関の課題に、わたしは運命の日までの時間の殆どを費やすことになるんだろうと、覚悟した。














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