Fortissimo

□邂逅
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「ちょっとーなーんでツンデレ君まで一緒なわけ?」
「とりあえずお前はその不愉快なあだ名をやめろ」
ようやく今日一日の授業も終わり、学校から解放された生徒たちは、一斉に校舎からあふれる。その中に仲良く(?)話す男女四人組がいた。
「もう、二人とも……そんなことで喧嘩しないで……」
ほんのり桃のかかったショートカットの金髪の少女が言った。
「まぁ……ゆいにゃんがそう言うなら……」
深海のように青い髪をサイドでまとめた少女が隣にいる無愛想な少年を睨みながら呟いた。
「ふん。これに懲りてしばらくは大人しくするんだな」
「むきー!なんですって!?一年生のくせに!私は三年生なのよ!?」
「ちょ、先輩落ち着けって!櫂も火に油注ぐな!」
まぶしいほどの金髪の髪を持つ少年は言い争う二人をなだめるのに間に入って苦労している。
そんな日常が果てしなく楽しくて、果てしなく――――大切だったんだ。


「ぼ、僕のカード……返してよ……!」
いつものようにカードキャピタルでファイトしていると、小柄な、青い髪をした少年がぼろぼろになりながらショップへ入ってきた。
「っ、アイチ君大丈夫!?怪我してるよ!?」
わたわたとあわてて結依が駆け寄る。
少年はそれに構うことなく店の奥へ進んだ。
「結依、どうし、っ、アイチ!?」
先ほどまで三和とファイトしていた涼風が少年――――アイチに近づき、制服の砂埃を払ってやる。
「……誰がやったの?」
「ち、違うの!姉さん!これは……!」
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