人生

□0歳
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私の最初の記憶は母の顔。
それは産まれてから何ヶ月かたった頃だった。

母、24歳。
結婚4年目で私はこの家の第2子として生を受けた。
私には2歳年の離れた姉がいた。

母はよく私の傍にいてくれた。片時も離れず、姉と共によく公園にベビーカーで散歩に連れて行ってくれた。


父の顔は正直、この頃は思い出せない。
後になってわかったことだが、父は母より2歳下だったので会社では下っ端扱い。よって、よく飲み会に駆り出されていたそうだ。
毎日のように夜中に帰ってきては布団で寝ている赤ん坊の私を抱き上げ、酒臭い父に抱きつかれた私はよく泣かれていたそうだ。
そんな父に母はストレスを感じていた。

母は乳の出が元々悪く、私はそれをわかったのか、母の乳を吸おうとはせず、ずっと粉ミルクで育った。

父への不満、新天地での不安、子育てへの不安。

母は神奈川で育ち、結婚後、突然父が会社から転勤を言い渡されたことで兵庫県へと引っ越すことになったそうだ。
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