羽生蛇村絶望観光ツアー


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「ここ…?」
「…またよそ者か。」

恐らくそこだと思われる場所から見渡していたら、背後から声がした。
振り返ると、猟銃を持ったお爺さんがいた。

「あぁ、はい。よそ者ですが…?」
「この村はあの女に呪われている。気を付けるんだな。」
「…あぁ、待って!俺も着いて行きます。雨鳥鏡華って言います。」
「…足手まといにはならんようにな」
「あい。役に立って見せます。」

安心感に心を満たしながら着いていった。


「あ、あの狙撃主動きましたな。今撃てます。」

バァンッ!

「よし、じゃあ行きましょうか。」
「…待て、お前は何者だ?この村の者では無い割には道がわかっている。」
「何者…か。人間ですよ。幽霊に助けられてる…ね。」
「幽霊…。もしや白野の人間か?」
「白野?…あぁ、何かそんな事言ってたなぁ」
「先祖かなにかが、白野の人間なのか。」
「…成る程ねぇ、そんな考えもあるの、か。」
「白野の人間は…、神代と同じくらいに御印が強かった。だからこそ、先祖だからといって巻き込みたくないからお前を助けてるのだろうな。」
「…へぇ、俺は幸せ者だな。」
「残りはあの女がいつか教えてくれるだろう。先に進むぞ。」
「あの女…?まあいいや。はーい…」

“あの女”
その言葉に違和感を感じながらも、これ以上触れてはいけない気がして、何も言わずに着いて行った。

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